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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第9章 しのちゃんの受難(五)

智子先生はずっと巨乳がコンプレックスだったそうだ。
地味な格好だと痴漢の標的になりやすいので、派手な格好をして痴漢を威嚇してきたという。
教師としては絶対に逆効果だというのに。
いろいろ間違っていた知識を、水谷さんが破壊、正しくコーディネートしてくれたようだ。学園としてもありがたい。クレームが減ること間違いなしだ。
ベルトの役割について熱く語る智子先生を見て、何だか嬉しくなってしまう。
いい人に巡り会えて良かったですね、智子先生。
開口一番「男の人怖い」はちょっとビックリしましたけど、きっといい意味ですよね?
どうやら、着回しができるくらいに服を買って、今までの服はクローゼットの奥にしまい込んだみたい。
「歩くエロ」先生が生徒や保護者からどう見られるのか、今後が楽しみだ。
「水谷さんとうまくいきそうで良かったです」
「ああ、うん、ありがとう……うまくいくかはわからないけど……私の体がもつかわからないけど……頑張るわ」
職員室に入ってくる先生方に挨拶をすると、例外なく「その格好はいいですね!」と褒められ、智子先生は嬉しそうだ。
先週までの格好はたしなめられることのほうが多かったから、褒められ慣れていなくて、智子先生は真っ赤になっている。それもまた、かわいい。
「それにしても、男と女って、奥が深いのね……大変だわ」
アンニュイな表情でため息をつく仕草も、いいと思う。それはそれでエロい。
彼女の身に何があったのかはまた次回飲みに行ったときに聞き出そう。
とりあえず、朝っぱらから話すことではなさそうだから。

