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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第9章 しのちゃんの受難(五)

「高村先生のことは、宗介から聞いた?」
「ええ、大体は」
「金曜から大変だったよ、大塚塾。本当に、いい迷惑。あ、しのちゃんは悪くないからね、全然!」

 稲垣くんは慌てて手を振ってアクションがオーバー気味になる。気にしてくれていたんだな、と少し嬉しく思う。
 なんていうか、微笑ましい。

「じゃあ、指導案頑張ってくださいね」
「うん、頑張る。ありがとね!」

 稲垣くんの背中を見送って、席に座る。
 子どもが巣立っていくのを見る母親のような心境だなと苦笑して、配布された紙に目を落とす。
 情報漏洩への対策、いじめ問題への対応と緊急時のフローチャート、修学旅行へのスケジュール……目を通して必要があればファイリングする。

 うーんと伸びをして、軋まない椅子に少し不満が残る。
 職員室で使う椅子は上等すぎて、軋まない。座り心地はいいけれど、「頑張れ!」と応援はしてくれないので、自分で言うしかない。

「頑張れ、小夜」

 よし、やるぞ。
 小テストの採点とチェック、やっつけよう。
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