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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第9章 しのちゃんの受難(五)

 塾講師だから授業が上手なのではないだろう。
 たぶん、彼はものすごく、準備している。生徒の反応を予想するのも、授業自体を勉強するのも、準備のうちだ。
 用意周到さがやはり授業にも出てくるんだなと思うと、私ももう少しネタを仕入れるべきかなと反省する材料になる。


 今日は部長に出張の準備があることを伝え、解説ができないことを謝り、早々に部室をあとにする。
 里見くんが来ないので、何人かの部員は帰ってしまった。
 里見くん、結構人気あるじゃん。良かったじゃん、と笑う。

「先生」

 部室のある棟から出ると、内藤さんがいた。ちょうど部室に向かうところらしい。

「今日はもう帰るの?」
「はい。明日、出張なので準備をしないといけなくて」
「そっか。だから、明日の授業が英語になっていたんだ?」

 四組は明日の英語と来週の古典を入れ替える時間割になっているはずだ。他のクラスも、今週と来週の時間割を替えた。
 平日に出張があると、他の教科の先生に迷惑をかけてしまうのが難点だ。

「そうなんです。来週古典ばかりですよ」
「……私、古典嫌いじゃないから、別にいいよ」

 内藤さんは古典も現文も成績がいい。英語が苦手なので、百人一首より英語を勉強しないといけないと思う。

「私がいない間、英語を頑張ってくださいよ、内藤さん」
「えー、ヤダ。先生が英語教えてくれるならいいけど」
「それは難しい提案ですねぇ」

 内藤さんは口を尖らせている。
 うぅ、ごめんなさい。
 そんな顔をされても、私に英語は教えられません。
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