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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

「小夜」
手早く鍵を開けて、荷物を玄関の中に押し入れて。
里見くんの腕が私を抱きしめる。そして、すぐに顔を近づけて、キスをする。
傘が落ちる。足を振ってパンプスを落とす。ストッキングがまた濡れる。
ぜんぶ、気にしない。
「っは」
玄関の側壁に体が押し付けられて、里見くんの両手が私の手首を捕らえる。
里見くんの体を抱きしめて温もりを感じたいのに、それが許されない。
「んんっ」
舌を求め合って、唾液を吸い合って、お互いの意志を確認し合う。
里見くんが手を解放してくれたので、ぎゅうと抱きつく。
里見くんも私の体を抱きしめて、何度も背中を撫でてくれる。
そして、そのままするりと腕を二人の体の隙間から差し込んで、私のスーツのジャケットのボタンを外す。
キスをしたまま、私はジャケットを脱ぎ、廊下に落とす。皺になっても構わない。クリーニングに出すだけだ。
里見くんは既にブラウスのボタンを外している。
里見くんのTシャツの裾を捲り、素肌を触る。あまり肉のついていないお腹、背中。運動をしていたから筋肉質なのだろうか。羨ましい。私はぷにぷになのに。
Tシャツをぐいと捲り上げて、里見くんに脱ぐように促す。
一瞬だけキスを止めて、里見くんの上半身を裸にする。
「もう、止まりませんよ?」
Tシャツを廊下に放り投げて、里見くんが噛みつくようなキスを落としてくる。ブラウスのボタンは既にぜんぶ外れている。
「止めないで」
ブラウスを廊下に落として、キャミソール姿のまま里見くんに抱きつく。

