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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

「小夜っ」
里見くんの筋肉質な腕が私の体を抱きしめる。
いつもの国語準備室でのハグとは違う。今は薄い布しか隔たりがない。素肌が触れ合う面積が広くて、恥ずかしいけど、嬉しい。
何度もキスをする。
薄暗い玄関の前の廊下で、電気をつけることもなく、お互いの唇と舌の感触を確かめて、たまに壁に背中を打ち付けながら、貪り合う。
「んむっ」
背中に里見くんの腕が伸びる。びくりと体が反応する。
ぷちん、とブラのホックが外れる。里見くんはキャミソールは脱がさないまま、ブラだけ抜き去ろうとする。
「いっぱい痕がついてる」
キスをしながら移動して、リビングにブラを落としたあとで、薄明かりの下に先日里見くんがつけた欲情の痕を見つけたようだ。里見くんは嬉しそうに笑う。
これのせいで、私は研修会場の大浴場に時間をずらして入らなければならなかったのだ。困った人だ。
「ねぇ、小夜。見えないところに、たくさん俺の証を刻みたい」
いいよ、と微笑んだ瞬間に、体が浮いた。
思わず里見くんの首にしがみつく。
里見くんは私を軽々と抱き上げて、歩き始める。
お姫様抱っこなんて、初めてだ。薄暗い中でも危なげなく歩き、器用に寝室への扉を開けて、里見くんは私をベッドに押し倒した。

