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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

「好き」
私の上に馬乗りになって、里見くんは何度も唇にキスを落とし、少しずつ位置を変えていく。
頬に、首筋に、耳朶に、また首筋に、鎖骨に、キスをしながら、舐めたり、吸ったりする。キャミソールの上から胸をゆっくりと揉み、裾を捲りながらお腹に唇を寄せる。
羞恥心よりもくすぐったい。脇腹を舐められたときは、思わず笑い声が漏れてしまった。
「里見くん、くすぐったいです」
「……小夜、名前で呼んで。敬語もやめて」
熱っぽく潤んだ瞳で見上げられると、母性本能をくすぐられたかのような感覚に、キュンとしてしまう。
その瞳が、ずっと私だけを映していて欲しい。そんな、呆れるような願いを飲み込む。
「……そう、すけ」
「うん」
「おいで」
私は微笑んで、泣きそうな顔の宗介を見上げる。
「長かった……やっと、手に入れた」
宗介は、震える声でそれだけ絞り出して、そっとキスをしてきた。

