この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君がため(教師と教育実習生)《長編》
第10章 しのちゃんの受難(六)

「きたない、汚いからっ!」
「小夜の体の中に汚いところはないよ。ぜんぶ綺麗だよ」
足の指を舐(ねぶ)られている、というのはかなり、気持ちいい。初めて知った快感だ。
「爪先は、崇拝。足の甲は、隷属」
「キスじゃなくて、舐めてるっ!」
「似たようなものだよ」
宗介は指先から足の甲をじっくり舐め、一息ついたと思ったら、もう片方の足首を掴んできた。
そっちも舐めるの!?
「やっ! やだ! だめ!」
「小夜、『やだ』と『だめ』は禁止」
「なんでっ?」
「傷つくから」
端的に、一番効果的な言葉を選ぶのが宗介らしい。傷つくと言われたら、傷つけるわけにはいかないと考えるのが私だ。
この男は、本当に「篠宮小夜」という人間を理解している。
むぎゅ、と手で口を押さえると、「口押さえるのも禁止」ときた。
……私は一体どうすればいいの!?
「小夜、声は我慢しなくていいから」
爪先、甲、足首、ふくらはぎ、膝、太もも……キスを繰り返し、舌で舐めながら、少しずつ宗介は上ってくる。
太ももは「見えないところ」だと判断したらしく、何度も吸い付いて赤い痕を残す。
宗介は満足そうだ。
「っあ! や、だめっ!」
「十三回目」
カウントしなくてもいいのに、宗介は呆れながら「やだ」と「だめ」を数える。
足の付け根の柔らかい部分を吸われたら、誰だって同じ反応をするだろう。
宗介は、酷い。
足ばっかり舐めて、たまにキスをして、キャミソールの下の肌に痕を残して、決定的な快楽を与えてくれない。
じわじわと熱が高まり、発散できなくて、本当に辛い。
ショーツはびしょびしょだし、触れて欲しくてたまらないところに、触れてくれない。しんどい。

