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誰よりも君を愛する
第25章 誓い

増築工事も終わり部屋が完成した。
二人はひと月ぶりに落ち着いた朝を迎えた。

『仕事終わったら昼から家具の搬入があるから‥今夜はお祝いしようか?』

『何かお手伝いしますか?』

『いや、亜矢子は美味しいお酒とご馳走を頼むよ(笑)』

『じゃあ、旦那様のお好きなワインでも買ってきますね。』

亜矢子は良雄の昼食用にサンドイッチを作って家を出た。

週末のデパートは混んでいた。真っ直ぐ地下の食品売り場へ行き少し高級なチーズや生ハム、ワインなどの食材を買った‥

『亜矢ちゃん?』

聞き覚えのある声に振り返るとそこに美波が立っていた…。

『あ、美波さん‥』

『久しぶりね、元気だった?』
亜矢子は美波の綺麗な指輪に目を奪われ、指輪をはめたその指を見て体の奥がズクンと跳ねた。

『少し‥お茶でもしない?良のことも聞きたいし‥』

亜矢子は気まずさを感じながら美波とカフェに入った。

『私とウチの貴志が亜矢ちゃんにした事謝るわ、本当にごめんなさい。』

『いえ、美波さんの事は私も‥田中さんの‥怒る気持ちも。』

『それにしても脅す様な真似して、ごめんなさい。ジョーダンじゃすまされないのに』

『もう、いいです、大丈夫ですから‥それより良雄さんと田中さんがケンカしたままで‥』

『ま、その内成るように成るでしょ。それより結婚式の計画がどうなったか気になって‥』

『私も知らなかったんです。あれからもまだ‥だから良雄さんが言うまで何も言わないでおこうと思ってます‥今は良雄さんの気持ちを台無しにしてしまったから信頼を取り戻そうと努力してます。』

美波はそう言って笑う亜矢子の事が気になった。少し痩せたような、寂しそうな、やつれたような‥

『亜矢ちゃん幸せ?』

『はい、とても(笑)』

『そ?何か辛いことあったら言ってね。じゃ、今日は送らないわね、気をつけて帰ってね』

美波は伝票を持って先にカフェを出て行った‥

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