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誰よりも君を愛する
第33章 嫉妬

『‥あの泣き虫でトイレも1人で行けなかった亜矢子ちゃんがねぇ、結婚したんだなあ~。でも、亜矢子ちゃん本当に綺麗になったなあ。‥あの頃はカズお兄ちゃんと結婚する~って言ってたのに‥もう人妻なんて残念だなぁ‥』

『そんなこともあったわね、でもカズお兄ちゃんが大学で一人暮らし始めちゃったから‥寂しかったのよ』

‘結婚の約束’

‘残念だと?’

良雄は和也に向かってこれ見よがしに腕時計を見た‥

『和也君、申し訳ない。次の予定があるので‥そろそろ失礼しますよ‥亜矢子の幼少時代の話が聞けて楽しかったですよ』

『あ、そうですか。また会いたいな、亜矢子ちゃん実家へは?』

『ええ、たまに‥』

『じゃあ実家に帰って来るときはウチに連絡してよ、俺実家に戻ったんだ(笑)』

『ええ、母も交えてまたお茶でも飲みましょう‥母も喜ぶわ~それじゃあ、またねカズお兄ちゃん(笑)』

良雄は大人の、年上としての、亜矢子の夫としての振る舞いで3人分の会計を済ませたが、和也の分のお茶代900円ぽっちの優越感ではこの燃え盛る嫉妬心は消えない。

『旦那様‥次どこへ行くんですか?』

憮然として歩く良雄に声を掛けた亜矢子に良雄は少し冷たい声で答えた‥

『もう帰る‥』

亜矢子は良雄の様子に違和感を覚えたが、幼なじみの和也に再会した喜びのほうに心を傾けていた。

家に着くと良雄は亜矢子に疲れただろうから‥と言ってビタミン剤と偽り利尿剤と水を渡し飲ませた。


そして部屋で亜矢子が普段着に着替えようとしているときに良雄が亜矢子に命令をした。

『亜矢子、服は着替えなくて良い‥裸でそこに座りなさい‥』

良雄がアゴで指したのは黒い椅子。

亜矢子はやはりいつもと少し違う良雄に戸惑いながら全裸で椅子に座った‥

『旦那様‥?どうして?』

『うるさいよ』

良雄は無言で内診台を倒し亜矢子の足をベルトで固定し、腕も頭の後ろでいつもよりきつめに固定した。

『旦那様‥どうしたの?』

『うるさいよ亜矢子、口、塞ごうか?』

亜矢子は黙って首を横に振った‥

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