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誰よりも君を愛する
第34章 嫉妬②

翌週末の朝に亜矢子の母親から電話がきた。

和也が久しぶりに亜矢子と再会し、ゆっくり話がしたいと亜矢子の母親を介して連絡してきたのだ。

『お母さん私、結婚したのよ、いくらお兄ちゃんでも男の人からの誘いは迷惑だわ‥‥お母さんが一緒でもダメよ‥携帯も教えちゃダメだからね‥じゃあね‥』

良雄は新聞に目を通しながらさり気なく聞いてみた‥

『どうした?』

『お母さんが遊びに来ないかって‥カズお兄ちゃんも私に会いたがってるって‥断ったわ‥』

『お義母さんの顔を立てて行こうじゃないか‥一回会えば和也君も気が済むだろうし‥お義母さんに連絡しておきなさい‥じゃ行ってくるよ‥』

良雄が行くと言ったので、気の進まない亜矢子は母親にその事を伝えた‥

良雄の刷り込みのお陰で亜矢子の幼い恥辱の記憶は薄れていくものの、鮮明に和也の嫌悪感だけが残った‥

なぜ和也をこんなに嫌悪するのか不思議にも思わずに、ただただ嫌悪感だけが募り、残っていった。


土曜の午前診察を終えて戻って来た良雄は
身支度を整えた亜矢子の水色のワンピースに合わせて自分も水色のシャツを選んだ‥

『色だけでペアっぽく見えますね‥嬉しい』

鏡の中で亜矢子は良雄の腕を組みおどけて笑った‥

退行催眠の後、亜矢子は少しずつ以前より明るくなった。
そして何よりも良雄にベッタリ甘えるようになった‥

それを煩わしいと思わずに良雄は大いに喜んだ‥
『少しは若く見えるかな‥和也君に負けたくないからね!』

亜矢子が和也に対して嫌悪感を持とうが
見た目長身で爽やかな和也に少しでも対抗心を燃やした。

『旦那様は誰が見ても素敵ですよ‥通り過ぎる女性はみんな旦那様を振り返るんですから!知らなかった?私と旦那様を見比べて私は笑われちゃうの‥』

『そうなのか?でも、僕が変態男だって知ってるのは可愛い亜矢子だけだよね?』

『あのね、旦那様‥今日お守り結んで行きたいの‥』

『どこに?』

『ぇ‥あのね、いつもの‥に』

『ちゃんと言わないと結んであげないよ?』

『‥ん、とね、‥クリト‥リスに』

『結ぶ?‥本当はペロペロして欲しいだけじゃない?』

『んー、どっちもォ』

亜矢子の可愛いおねだりに良雄は目を細めて喜んだ‥
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