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誰よりも君を愛する
第35章 パパ
それから亜矢子のおねしょは毎日になった‥
亜矢子は入浴中や、セックスの時は子供のようにとことん良雄に甘え、良雄も喜んで亜矢子の要求に応え今まで以上に溺愛した。
しかし良雄からの言うことには時々反抗するようになった‥
『亜矢子、椅子に乗ってごらん‥』
『今日はベットがいいです‥椅子はイヤなの‥』
『昨日は椅子がイイって言ってたのに?』
『今日はなんだか黒の椅子はイヤなの‥』
最近の亜矢子は気まぐれで良雄も翻弄された。
『旦那様ァ‥お守り結んで欲しいです』
『今?もう診察に行く時間だよ?』
『じゃあ、いいです‥』
『お昼に結んであげるね』
しかし昼になってこちらから結ぼうかと聞くと必ず嫌だと言った‥
朝の基礎体温も自分で出来ていたのに最近は測定すら嫌がった‥
色々な事をなだめ透かし、亜矢子のご機嫌を取りながらわがままに付き合ってやった。
初めは可愛いわがままだと許していたが仕事中にメールして来るようになってきて良雄は参っていた‥。
しかし亜矢子の甘えも、わがままも子供っぽいものだったし、良雄もまだまだそれを許せる余裕もあった。
自分がやった退行催眠のせいかもしれないという負い目も少しはあった。
そんな調子で1ヶ月が過ぎた頃、夜中に寝ながら亜矢子がグズグズと子供のようにぐずりだした。
『パパ‥ごめんなさい‥イイ子になる‥ごめんなさい‥』
その夜の寝言に良雄は亜矢子を触れず、話しかけもせずにただ黙って見守った‥
『パパ‥亜矢ね、悪い子‥だもん、ごめんなさい‥』
(叱られてる?)
父親に夢の中で叱られているような寝言だった…
その日、亜矢子は朝までグッスリ眠って久しぶりにおねしょもしなかった。