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獣戦記 §ju-senki§
第3章 レアン王


どれくらいそうしていただろうか
コンコン と扉を叩くノックの音に はっとして「どうぞ」と声を掛けると、キヨがひょっこりと入ってきた。


「ムツキ様、お寛ぎのところ失礼致します。夕餉の準備が整いましたので、起こし頂いてもよろしいですかな?」


目尻に皺を寄せてにっこり笑うキヨに連れられ、ムツキは部屋を後にした。


「あの、キヨさん・・・」

「おっとムツキ様、家臣に敬語は無しですぞ?それに、私の事は キヨ とお呼びください」


くるりと振り返り、人差し指を立てて「ちっちっ」とするキヨにムツキは微笑み頷くと、改めて声を掛けた


「えっと・・・キヨ、レアン様ってどんな方なのかな・・・?」



先程の抱擁の際に言われた「ようやく」の意味がムツキは気になっていた
勿論ムツキとレアンは初対面の筈
それなのに、以前に会った事があるような言い回しだった。自分が忘れてしまっているだけなのだろうか・・・


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