この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
獣戦記 §ju-senki§
第3章 レアン王
どれくらいそうしていただろうか
コンコン と扉を叩くノックの音に はっとして「どうぞ」と声を掛けると、キヨがひょっこりと入ってきた。
「ムツキ様、お寛ぎのところ失礼致します。夕餉の準備が整いましたので、起こし頂いてもよろしいですかな?」
目尻に皺を寄せてにっこり笑うキヨに連れられ、ムツキは部屋を後にした。
「あの、キヨさん・・・」
「おっとムツキ様、家臣に敬語は無しですぞ?それに、私の事は キヨ とお呼びください」
くるりと振り返り、人差し指を立てて「ちっちっ」とするキヨにムツキは微笑み頷くと、改めて声を掛けた
「えっと・・・キヨ、レアン様ってどんな方なのかな・・・?」
先程の抱擁の際に言われた「ようやく」の意味がムツキは気になっていた
勿論ムツキとレアンは初対面の筈
それなのに、以前に会った事があるような言い回しだった。自分が忘れてしまっているだけなのだろうか・・・