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獣戦記 §ju-senki§
第3章 レアン王


「ほむ・・・レアン様ですか。レアン様は我がレキザン65代の王、性格はなんと言いますかなぁ・・・豪放磊落、来るもの拒まず去るもの追わず、敵対関係にあろうとも実力のある者はしっかり認める・・・などといった感じでしょうかな?」

「ふぅん・・・」

「まぁ、私としては胃が痛くなる事の方が多いのですが、民はそんなレアン様の気性に惚れ込みしたっておりますのじゃ」



ほっほっほ、と顎鬚を撫でながら笑うキヨ
だがしかしそれを聞いても特に何もピンと来ず、謎は深まるばかりだが「分からないものは気にしていてはしょうがない」と自分に言い聞かせ、他愛もない話をしながら夕餉の席に向かった。


「着きましたぞ」


キヨが扉を叩き、返事が聞こえ開けると既にそこにはレアンの姿があった
ムツキはペコリと頭を下げて案内された席に座る。
臣下たちの姿はなく、キヨが退席すると文字通り2人きり、運ばれてきた料理が鼻腔をくすぐるも、緊張でそれどころではない。


「・・・それでは、いただくとするか」


そういう彼もどことなく緊張気味なような気がするのは気のせいだろうか。
部屋にはカチャカチャと食器の音が聞こえるだけで、静まり返っている

(・・・気まずい)

ちらりとレアンに視線を向けると、彼もムツキの方を見ていたのか視線が重なる
ムツキは慌てて視線を外してしまう



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