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獣戦記 §ju-senki§
第2章 レキザン
どれくらい進んだのだろう・・・
青い空は何処までも広がり、そよそよと風が心地よい。
今思えばムツキはあまり里から出た事がなく、こうして外の景色を見る事は数える程しか無かった。
そう思うと全てが新鮮に見えて、周りを見渡しながら耳をぴこぴこと動かす。
レキザンへはあとどれ位なのだろうか?
そう言えば、ムツキはレキザンに関することをあまり知らない。国としての歴史なら一通り父から教わったが、現在即位している王についても殆ど知らない。知っている事と言えば”レアン”という名前くらい。
「あ、あの・・・」
ムツキは隣を歩く馬に跨る犬獣人の男に声を掛ける、「なんでしょう?」とニコリと笑い返事を返す男に安心したように釣られてムツキも微笑む
「えっと、レアン様・・・?とは、どのような方なのですか?」
その問に対して男は「うーん」と首を傾げ考え込むようなジェスチャーをすると
「そうですねぇ、んー、まぁ会ってみるのが一番ですよ!悪いお人では無いのは確かですから!」
と返され、安心したような 困った様な微妙な顔でムツキは微笑んだ