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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
 
 Syuu side
 
「どうして毎月1度、俺は結城さんと飲んでいるんですかね? 仕事でもない、完全なプライベート時間を、なにが嬉しくてあなたとふたりで」

 賑わいを見せる大衆居酒屋のカウンターで、俺は乾杯したばかりのビールを口にしながらぶつぶつと文句を言う。

 真下さんと三上さんと共に行こうとする陽菜に、男が言い寄っても付いて行くな、隙を見せるななどと言い聞かせていたところ、肉体派の彼がひょいと俺の襟首を摑むようにして陽菜から引き離し、「じゃあ楽しんで来いよ」などと三人に笑顔で片手を振り、もう定番となってしまった居酒屋に、俺を連れてきたのだ。

 人が入ってくる度に銅鑼が鳴り、「ちゃんちゃんこ~」と店員の合唱。
 最初は何事かとびくついたが、今では慣れてしまった。
 
「そんなこと言うなって。恐らくお前が結婚しても、月に一度はこうして飲むことになるだろうからさ」

 結城さんは人懐っこい笑みを見せながら、そう笑う。

 ……正直、複雑だ。
 彼は、あれだけ惚れていた陽菜と結婚しようとしている俺を、本当はどう思っているのだろうかと。

 もしも陽菜が満月に乱れる原因を作っていなかったら、罪悪感を持たない彼は、もっと真っ直ぐに陽菜にぶつかり、新参者の俺に退かなかっただろう。

 結城さんの笑顔の奥には、なにが隠されているのだろう。
 本当に真下さんに心が動いているのだろうか。
 陽菜をかっ攫った俺を、憎々しく思っていないのだろうか。
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