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Oshizuki Building Side Story
第7章 Turning point of love!
 
 syuu side


 横に広がる、長いソファ。
 テーブルを挟んで向かい合わせになった、応接セットのような座席。

 勿論テレビも冷蔵庫も完備。
 奥にはベッドもふたつある。

「ひぇぇぇぇぇ……」

 狭い空間に、陽菜を始めとした複数の引き攣った声が聞こえた。

 確かに、気持ちはわかる。

 俺もまさか、渉さんがこんな計画をたてているとは知らなかった。
 せいぜい関東圏の海に、人数分が乗れるロールスロイスあたりの車で来るかと思っていたのに……。

「ぶはははは! さあ、楽しむぞ! 忍月御用達、プラベートジェット機で行く海の旅 in 沖縄!」

――結城が、あの真下の令嬢を口説くって? よーしよしよし、だったら俺も社長就任祝いに一肌脱いでやろうじゃないか、忍月の者として派手によ。

 ……流石は渉さん。やることは、俺の想像以上に派手だった。
 
「うおおおお! 蒼い海、お魚さんと戯れるっす!」

 萎縮する空気が濃い中で、木島はひとり、大興奮の声を上げた。

 彼のTシャツは、筆で子供が適当に書いたような、人面ライオン…みたいな奇妙なイラストがついている。

――課長。どうっすか? 勇ましく、どこか可愛げある動物柄っす。

 目を輝かせた彼の自慢の逸品に、今回もまた批評を求められたけれど、そのセンスのなさに、返事をする気力もなくなってしまった。
 適当にした返事を賛辞と受け取ったらしい彼は、意気揚々と『香月課長のお墨付き』と誇らしげに口にして、皆に自慢していった。

 ……当然皆から向けられるのは、俺のセンスの悪さへの哀れみ。

――香月。お前、感性求められるWEB部やめて、プログラム一本にしたら?

 真面目な顔をした結城さんにも、そう言われてしまう。
 
 違うから。俺はあんな珍妙で個性的な地球外生物のイラストを、褒め称えてなどいないから。
 俺が推奨し続けているのは、至って普通の、常識の範囲内で共感を得るような動物柄だから。

 大体、どこから見つけてくるんだろう、あんなTシャツ……。

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