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セイント・イリス ~淫辱の天使達~
第2章 天使達の散華
 戦いの場所はなんと都心のど真ん中、幸いヴァイス襲撃の予告のおかげで一般人は避難し、ゴースト・タウンも同然となった街に7人の少女だけが残った。
 そして予告していた時間通り、次元の壁をぶち破ってヴァイスの戦艦が現れた。

 しかし案の定罠だった。
 セイント・イリス達が逃げられ無ぬ様に半径数キロに結界を張られ、戦艦砲が一斉に放たれると地球人類が長い年月を経て作り上げた文明は一瞬にして廃墟と化してしまった。
 セイント・イリスも直撃では無いにしろ戦艦の砲撃の前ではただでは済まず、ある者は爆風で吹き飛ばされ、またある者は砕かれたビルの残骸が頭から降り注いで生き埋めとなった。
 普通の人間なら命を落とすか良くても重傷だろう、しかし彼女達は普通の人間とは違い瓦礫をかき分け、埃まみれになりながらも勇敢に立ち上がった。
 無論敵もそれで彼女達を倒せるとは思ってはおらず、作戦の第二段階を実行……戦艦から対セイント・イリス用に強化改造された7000を超えるヴァイス兵達が地上に降り立った。

 ヴァイスは下手に時間をかけて強力な怪人を作り出すよりも身体能力を強化させた改造ヴァイス兵の大軍で長期戦に出た方が得策だと判断した。
 さらにもう1つ、セイント・イリス達は常に力を合わせて戦っている事に気が付いた。
 セイント・イリスとは言え欠点が無い訳では無い、お互いがお互いの短所を庇いあい、長所を生かす事で勝利を収めてきた。
 その為に一度戦艦の砲撃で陣形を崩させ、すかさず戦力の立て直しをする前に数で押し切ろうと言う作戦を実行した。

 改造ヴァイス兵は怪人程では無いがセイント・イリスを孤立させるには十分だった。
 セイント・イリスは逃げ出す事も隠れる事も助ける事も出来ず、およそ1対1000と言う激闘がおよそ5日5夜に渡って続けられた。
 その結果、ヴァイスは戦力の8割を失う代わりにセイント・イリスに勝利、全員を生け捕りにする事に成功した。
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