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セイント・イリス ~淫辱の天使達~
第4章 友情の亀裂
 しかしそう簡単な事では無かった。
 元々何の戦闘訓練も受けて無い……運動神経が良い者や喧嘩で腕っ節の強い者はいるが素人同然である彼女達は敵の攻撃に痛めつけられて傷つく事もあった。
 それは元一般人である少女達にとって過酷で辛過ぎる事だった。しかしそれでも互いに励まし合い諦めなかった。
諦めこそが未来を閉ざし、人を絶望に陥れてしまう、諦めなければ希望は生まれ、ピンチをチャンスに変える事が出来る、そう信じて戦って来た。
 その甲斐があってヴァイスの前線基地開発計画、セイント・イリス探索の為の女性誘拐、ヴァイス怪人を作り出す為の動植物のサンプル回収作戦をことごとく阻止してきたのだった。
 その事を思い出した少女達の瞳に光が戻り、顔には笑みが戻った。
「そうね、そう言えば……そうだったわね」
「うん……ボク達、負けないって誓った」
「確かに……私達はまだ生きてる……まだ負けた訳じゃない」
 ブルー、ピンク、イエローは自分の体に走る衝動に耐えながらも両手を恥部から引き離した。
 それを見たパープル、グリーン、ホワイトも押し寄せて来る快楽の波を必死に耐える。
「で、でもどうすんだ? どうやってここから……」
「無駄な話です」
「あっ!」
 少女達は一斉に扉を見た。
 牢屋の扉が開かれて入って来たのは神官ロアと数人のヴァイス兵だった。
「我々ヴァイスから逃げ出す事は出来ません、いい加減に諦めて降伏したらどうですか?それが地球にとっても貴女達にとっても幸せな事です」
「……な、何言ってんのよ、こんな事されて……幸せな訳無いでしょう!」
 イエローは言い返す。
「そうよ、ヴァイスに降伏するくらいなら……死んだ方がマシだわ!」
 レッドも続く。
 他のセイント・イリス達も神官ロアを睨みつける。
 しかし神官ロアは目を細めながら微笑した。
「まぁ良いでしょう、今度は私の調教を受けてもらいますよ、貴女達にそれが耐えられるかどうか……」
 神官ロアが後ろにいたヴァイス兵に命ずると少女達の腕をつかみ上げて牢屋から連れだした。
 最早彼女達は暴れないのは分かっている、だが念の為に牢屋を出る時は彼女達の両手に手錠を掛け、後に回ったヴァイス兵が大きく開いた背中に銃口を突きつけていた。
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