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セイント・イリス ~淫辱の天使達~
第4章 友情の亀裂
 彼女達が連れて行かれたのは今までの拷問部屋では無かった。
 隅には円を描くように7本の柱があり、その柱の上から鎖がぶら下がり、部屋の中央には丸い台座があり、その上には奇妙な煙を放つ香炉が置いてあった。
 今まで嗅いだ事の無い匂いが部屋中に充満していた。
 それはとても甘くて軽い……息を吸って肺に充満する度にヴァイスによる凌辱でボロボロにされた心が安らいで行くような感じだった。
 少女達は左側から白・緑・黄・赤・桃・紫・青の順番で各柱の前にM字開脚で座らされると両手首を頭の上で交差させられると鎖で繋がれた。
 背が低くなった事で香の煙が彼女達の鼻孔をくすぐった。すると決して眠気がある訳ではないのだが激しい目眩が彼女達を襲った。
 さらに元々首輪の機能でにロクに力の入らない身体からさらに力が抜け、腕や足の筋肉がほぐれて行った。
 準備が整うと神官ロアはヴァイス兵に命じた。
「御苦労さま、後は私がやります」
『ハッ!』
 ヴァイス兵達は一礼すると部屋を後にした。
 部屋の中にはセイント・イリスと神官ロアだけが残された。
「はあ、あぁ……」
 レッドや他の者達が殆ど放心状態になっていた。
「どうやら効いて来たみたいですね、これに焚かれているのは私が特別に調合した香で……焚くと強力な抑制効果があるのです、今までの凌辱で疲れ果てていた貴女達の心は癒されて行くでしょう?」
「どう言う事? いつもみたいに……怪人や道具で酷い事しないの?」
 レッドは尋ねる。
 すると神官ロアは大きな目をさらに大きくさせて言って来た。
「あら、そちらの方が好みでしたか?」
「だ、誰が!」
 パープルは食ってかかる。
 神官ロアは一間置くと言って来た。
「私は将軍ギアや博士Gとは違います。私はなるべく美しい物を出来るだけ傷付けずに手に入れたいと思っているのです……その為に今回は趣向を変えました」
「趣向を変えた?」
「どう言う意味ですか?」
 ホワイトは眉を細め、グリーンは尋ねる。
「直ぐに分かります、貴女達の考えている事がいかに無駄な物か……そして友情などと言う物がどれだけ脆い物かをね」
 神官ロアが右手の指を弾いた。
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