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セイント・イリス ~淫辱の天使達~
第2章 天使達の散華
 超次元の渦の中をヴァイスの戦艦が進んでいた。

 その最深部にある司令室ではヴァイスの権力を握る3人の最高幹部達がモニターに映し出される映像を見ていた。
 その映像とは赤い目玉と黄色い毛皮に黒い模様の虎の怪物が7色のレオタードの少女達にやられている映像だった。
「ええいっ、歯がゆい、またしてもあの小娘どもに邪魔されるとは!」
 幹部の1人、身に纏った黒い甲冑の上から表は黒で裏が赤いマントを羽織い、頭に左右に2本づつ、その中央から1本の角が生えた計5本の兜を被った将軍ギアが歯をきしませながら右手を強く握りしめた。
「落ちつきなさい将軍ギア、熱くなったら負けです」
 すると隣に立っていた女性が一歩前に踏み出して言って来た。
 脹脛辺りまで伸びた銀の髪と美しいを通り越して不気味とも思える真っ白な肌、モデル顔負けの発達したプロポーションを強調する大きく胸元の開いた薄いクリーム色のマーメイド・ドレスの様なローブを纏い、首からはヴァイスの紋章である逆五亡星のペンダントをぶら下げ、両手に装着した白いアーム・ソックスの右手の方には黒い水晶の取りつけられた柄の長い杖を持った神官ロアが将軍ギアを宥めた。
「悔しくは無いのか神官ロア?我らヴァイスの精鋭達がことごとく、あんな小娘達に負けているのだぞ!」
「いや、神官ロアの言う通りじゃ……それより優先すべきは地球征服よりもあの小娘達じゃろうて」
 2人の間に最後の幹部が割って入った。
 将軍ギアと神官ロアと比べてかなり高齢の老人だが、頭をそっくりそのまま切り開いて剥き出しにした脳髄をドーム状の透明なカプセルで覆って緑色の液体に浸し、黄色い生地に赤い斑のボレロの様な服に下半身を円盤状の浮遊機械に埋め込んだ博士Gだった。
「調べた結果、やはりあの小娘達には『あの力』が宿っておる、そうでなければ地球人ごときが我々と戦えるはずがないからのう」
「そうですね、そうなると彼女達を生かして捕える必要があります」
「しかしどうする?今の戦力では心もとない……もっと強力な怪人を作り出す事は出来んのか?」
「無茶を言うな、やれるモンならとっくの昔にやっとるわ」
 博士Gはため息を零した。
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