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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第11章 番外編 Sirena della mare profondo
人魚姫に憧れた。
遠い遠い、昔の記憶。
『こら、マリアーナ。走ると危ないわ』
蒼い水槽の前を駆け抜ける私を、お母さんはそう言って窘めた。
けれど小さな私には、そんな声など聞こえない。
私は人魚姫。
陸の世界を夢見た人魚姫のように、私はどこか輝かしい場所を目指すために走り出していたのだ。

その場所が具体的な姿……すなわち『モデル業界』に定められたのは、それから少し先の話だった。
そしてその場所が、私の身の丈に合わない場所であることに気づくのも、またそれから少し先の話であった。

『ねぇ見て。またあのチンチクリンがいるわ』
『ホント、私達まで同レベルに見られたらどうするの?』
『せっかくのランウェイ、汚さないで欲しいわ』
今日も私に浴びせられるのは、同業者からの冷たい視線と言葉。
私は聞こえない振りをしてその横を歩く。
私は平均的な他のモデルに比べ、背は10センチも20センチも低い。
加えて他の場所ならば圧倒的なアドバンテージになったであろう女性的なメリハリのある体型も、スレンダーな体型を求められるこの場所ではお荷物だ。
『ねぇ知ってる? あの子、枕営業をしているんですって』
『知ってるも何も、そうでなきゃあんなヤツがモデルなんてできるわけないでしょ?』
あぁ、もう。
五月蝿い飛沫の音。
だけど私は顔色一つ変えずにスタイリストの元へと向かっていった。
そこには一着のウェディングドレス。
私の体型に誂えられた、ウェディングドレスがあった。
今日は大切なファッションショーの、衣装合わせの日。
そう自分に言い聞かせて、心を落ち着かせようとした。
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