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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第11章 番外編 Sirena della mare profondo
今から2年前。
私はショーウィンドウの前に目を輝かせて張り付いていた。
まるで宝石でできたお伽噺が目の前に姿を現したような、私を夢見心地にさせる素敵なドレスが飾られている。
ウェディングドレスの販売を行う店が出来たという話を聞いて、思わず足を運んでしまったのだ。
「どうだい、お嬢さん。よかったら感想を聞かせてくれないかな?」
突然後ろから声をかけられて、私は驚いて反射的に振り返った。
そこにはスーツを着こんだ、見知らぬアジア系の男が立っていた。
人懐っこそうな笑顔であるけれど、私は最大限の警戒心を顕にした。
「あぁ、すまないね。僕はこういう者なんだ。君があんまりに熱心に見ているものだから、つい声をかけてしまって」
男は名刺ケースを取り出すと、私に差し出した。
『イル・パラディーゾ・デル・ソーレ専属デザイナー タカシ・ヤハギ』
名刺にはそう書いてある。
(イル・パラディーゾ・デル・ソーレ……?)
私はさっきまで自分が食い入るように見ていたショーウィンドウに振り返った。
そこに飾られた看板には、同じ文字が掲げられている。
私は言葉を失ってしまった。
あのドレスを作った人が、まさか目の前に現れるなんて……。
私は喜びと恥ずかしさを同時に感じて体をモジモジとさせるしかできないでいた。
「よかったらファッションショーにも来てみてよ。もっと沢山のドレスが見られるからね」
「ファッション……ショー……」
男の明るい声音とは裏腹に、私はその単語に悲しい気持ちにさせられた。
「どうかしたかい?」
「……私、モデルになるのが夢だったんです」
こんなことを吐露しても、何にもなりはしない。
だけど今まで堪えていたものが、何かの拍子に弾けたように、私はその言葉を紡いでいた。
「だけど、私の見た目じゃダメって……もっと背が高くて痩せてなきゃだめなんだって……みんなに言われて諦めてしまって……」
初対面でこんな暗い話を聞かされるなんて、この人もなんて不運なんだろう。
私は心のどこかでそう考えていた。
だけど彼は、その笑顔のままで私に言った。
「そうかな? 僕はそんなこと思わないよ。ん~。僕にモデルを選ぶ権利があるなら、君にランウェイを歩いてほしいくらいなんだけどね」
「え……?」
私はその言葉に、目をぱちくりさせて彼を見上げた。
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