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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第2章 口の中に!!
入ってきたのは、勿論姉貴。
極力平静を装う俺の言葉に、姉貴はご苦労様、とだけ言って、ソファーに座った。
姉貴は、ノースリーブにホットパンツを着ていた。
ヤツが部屋着として使ってるものだ。
「そうそう。さっきまでレポートを書いていたのだけど、辞書を借りにお前の部屋に入った」
「はぁ!? 勝手に入るなよ。辞書ならスマホで調べりゃいいだろ……」
煮物の材料を切る俺は、一度手を止めて姉貴を睨んだ。姉貴はソファーに寝っ転がって、雑誌を読んでいる。
「そのレポートにはデジタル資料が使えなくてね。それに、紙の本の方が味わいがあって好きなんだよ。お前もそうだろ? 現に、今はエロ本の一つや二つ、ネットで検索すれば出てくるにも関わらず、お前はこんなものを持ってるんだから」
姉貴の言葉を怪訝に思った俺は、姉貴が手に持ってヒラヒラと振る雑誌の表紙を見て、更なる怒りと羞恥に顔を赤くした。
「おまっ……その雑誌……」
俺は慌ててキッチンを飛び出し、姉貴の手から雑誌を取り上げた。
間違いない。間嶋から借りたものだ。
「あぁ、これか。あんまりに無造作に置いてあるものだから、ついつい手に取ってしまった。いやぁ、勉強になる。お前、こういうのが好きなんだな」
姉貴はさも当然とばかりに、鼻で笑った。
俺の理性の限界は、いよいよ持って突破された。
「……おい」
俺は低く唸るように呟いた。
姉貴が俺を見上げると同時、俺は雑誌を放り出して彼女をソファーに押し倒した。
「どういうつもりだよ、弟の前でさ……。何? 挑発してんの? 俺がそういうの好きなら……」
続きの言葉は、出てこなかった。
これ以上は言ってはいけない、と思ったからだ。
せっかく俺達は平静を装って生活していたのに、俺は再びそれを崩そうとしているのだ。
「もし」
けれどそんな俺と対称的に、姉貴はクスりと笑った。
「もし、挑発している、と言ったら?」
俺は驚いて姉貴を見上げた。
そこにはいつもの、不敵な笑みがあった。
いつもと同じ笑みなのに、今の俺には蠱惑的に見えた。
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