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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第3章 一緒にお風呂!!
確かに先生からはなんというか……スマートさを感じる。知的とも言うか。
こうして今日の朝礼は、にわかに色めき立ちながら終わりを迎えた。


「な~。数Aの最後の問題、答えられた?」
「無理無理。時間なかった」
「いや、時間あっても無理だろあんなん」
俺は間嶋他、同学年の水泳部の連中と机を付き合わせて昼飯の準備をしていた。
テストも一段落、俺たちは午後からの練習に向けて腹を満たすために。
「あれ……弁当、忘れたかも」
「え?」
俺の呟きに、同級生達が一斉にこちらに振り返った。
俺は鞄を引っくり返さんばかりに探したけれど、弁当の影は見当たらない。
確か今朝は、姉貴が作る当番だったっけ。
そうだ。急いで家を出たから、そのせいで……。
「しゃーない、ちょっと買ってくるか。先に食べてて」
「ついでだから俺もお菓子か何か買ってこようかな。どこのコンビニ行く?」
俺が席を立つと、同級生達がそれに続いて立ち上がる。
そんな俺達が、下駄箱まで降りてきた時だ。
「あ、矢作先ぱーい! ちょうどいいところに!」
自分の名前が呼ばれたことに気がついた俺は、ローファーを取り出しながら、そちらの方を見た。
そこには、数メートル先の校門の前で手を振る東堂の笑顔があった。
「先輩のお姉さんがいらっしゃいましたよ! お弁当届けに来てくださったんですって!」
その言葉の通りに、彼女の横では見知った黒髪が靡いていた。


「なんでアンタがここに来てるんだ!」
「なんでも何も、お前が弁当を忘れたのだろう。せっかく届けてやったのに、礼も言えないのか」
俺は上履きのまま、校門の前まで慌てて走った。
そんな俺の背後で、間嶋達がニヤニヤ笑ってる様などは容易に想像がついた。……恥ずかしいことこの上ない。
「……とにかく、これは……まぁありがたく貰うよ。ほら、用が済んだんならもう帰れ」
俺は弁当を受け取ると、半身を翻した。
「言われなくても帰るよ。それじゃ、練習頑張れ」
姉貴はそう言って、俺の頭をぽんぽんと撫でる。
……俺は弁当を持っているせいで、それを振り払うことができなかった。
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