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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第4章 大会の後には!!
高校の最寄り駅から三駅先にある市民プールは、近隣の高校のジャージがひしめき合っている。
「うひょ~。すげぇ人だなぁ! ここで泳ぐのか、緊張するな!」
「あんまり騒ぐなよ、間嶋。第一、まだ地区大会だろ。そもそもお前は泳がないだろ」
俺達の学校の水泳部も、その人混みに交ざって会場の一角を陣取っている。
学校指定の体操着に、水泳部の証であるお揃いのウィンドブレイカーを羽織った部員達は、横断幕を用意したりプログラムを配ったりと準備に取り掛かっていた。

ふと俺の視界の端に、俺達が座る場所から少し離れたところに立つウィンドブレイカーが掠めた。
それは今日一緒にメドレーリレーを泳ぐ先輩のものである。
先輩は両親であろう二人の男女と、何やら話をしている。
その様子はいかにもごく一般的な家庭の姿といったものだ。
「先輩のご家族はいらっしゃらないんですか?」
そう俺に言ったのは、プログラムを配っていた東堂だった。
「俺の親は海外を飛び回る仕事をしてるからさ。こういうのはまず来ないかな。来るとしたら入学式や卒業式くらいさ」
俺は東堂からプログラムを受け取り礼を言ってから、その問に答えた。
「あ、そうなんですか。私ったら、不躾に……」
「いや、いいって。もう馴れてるから。むしろ来ない方が普通っていうか、日常みたいなもんだし」
申し訳なさそうに頭を下げる東堂に、俺も気にするなといった体で手を降った。

(……そうは言ってもねぇ)
俺は金属製のロッカーの扉をカチャンと閉めながら、心の中でため息をついた。
確かに、馴れたというのは嘘ではない。ないけれど……。

俺の脳裏には、小学生の頃の、授業参観の光景が浮かんだ。
小学生の俺は、当たり障りのない言葉を羅列した原稿用紙が広げてそれを読み上げている。俺はクラスメイトや父兄の視線はもれなく俺に注がれているけれど、その中にはその文章を宛てた相手はいない。
俺は自分の声が、まるで虚空に吸い込まれていくような感覚を覚えた。
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