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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第4章 大会の後には!!
「次、メドレーリレーの方! プールサイドにお越しください!」
会場の誘導員の声で、俺は我に帰った。イカンイカン、 集中せねば。
俺は共にメドレーリレーを泳ぐ先輩達と共に、プールサイドへと向かった。

広がる塩素の匂いと、反響する放送の音声。そして衆目に晒され、俺は一段と緊張を覚えた。
第一泳者の先輩が審判の合図で入水し、背泳ぎの構えをする。
第二泳者の俺も、飛び込み台に上がる。
『ヨーイ……』
そして笛の音が青空にこだまし、第一泳者が一斉に泳ぎだす。
俺の学校は50メートルのターンをした時点で3位の位置にいる。
しかしながら全校差は殆どなく、いつ追い抜き追い抜かれるか予断ならない状況だ。
そのままの順位で第一泳者が戻ってくる。
そして俺は第一泳者がプールの壁をタッチする瞬間を見極め、プールの中へと飛び込んだ。




『以上で、男子400メートルメドレーリレーを終了いたします……』
会場のアナウンスが、次のプログラムへ移ることを告げる案内をした。
俺達選手は、控え室へと引き上げて行く。
その途中プールサイドで、同じ学校の水泳部のメンバーや応援に駆けつけたクラスメイト達が、観客席から俺達に拍手と歓声を上げているのが見えた。
俺は今の俺にできる、精一杯の笑顔をそちらへ向けた。
「それにしても二位かぁ……」
「そうだな。結構惜しかった」
前を歩く先輩はそう言い合いながら控え室まで進む。
俺達のチームは、第二泳者で一度は一位に躍り出た。
しかしその後接戦の末、二位という結果になった。
「でも、これで県大会への出場権は手に入れた。あとはそれぞれ個人種目で上を目指すぞ」
俺は先輩の言葉をどこか上の空で聞いていた。
それなりの結果は出せた。
だけど、何かが足りなく感じるのは気のせいだろうか。
似たような気持ちを、俺はどこかで味わったような……。
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