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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第4章 大会の後には!!
俺はプールサイドへ続く薄暗い廊下を、間嶋の背を追いながら歩いた。
ふと、出口付近で間嶋は身を隠すように壁際にへばりついた。
俺もそれに倣い、出口に手をかけ身を隠すようにして、間嶋の頭の上から外を覗いた。
いた。確かにいた。
観客席の中断あたりに、黒髪をなびかせて一人座るのは、間違いなく姉貴だ。
姉貴は歓声や水しぶきをよそに、退屈そうにスマホをいじっている。
「な? あれ、お前のねーちゃんだろ?」
囃し立てる間嶋にとって、顔を青ざめひきつらせるせる俺は、格好のイジりネタであろう。
だけど……。
「……俺、そろそろ戻るわ」
「えぇ~? 声かけなくていいのか?」
「しねーよ。何でわざわざ……」
残念そうな間嶋。
生憎俺はお前のエンターテイメントになるつもりはない。
けれど俺は、姉貴の存在のお陰で、自分の精神が落ち着くのを感じている。
落ち着きながらも、試合前の高揚感はむしろ増すばかりだ。
いわゆる明鏡止水というものは、こういう感覚なのかもしれない。
多分この平静をもたらしたのは、姉貴であろう。
身内の存在というのは、自分が思っている以上に力になるようである。
そんな俺はその事実に馬鹿らしさを覚えずにはいられない。
心の内で苦笑いするしかない。
100m平泳ぎに出場する選手に集合するように呼びかけるアナウンスが、会場に響いたのはそれと同時だった。
俺はそのまま、プールサイドへと歩を進めた。


飛び込み台に登った俺の意識は、きらめく水面へと集中している。
周りの音も、色も何もかもが消えている。
『ヨーイ……』
審判の合図で、俺は飛び込み台で飛び込みの構えをした。
そして審判の笛の合図が鳴り響き、泳者が一斉に水へ潜り込む。
俺は、長く長く潜水した。
そして水面に浮上、大きく水をかきながら息継ぎをする。
不思議と、回りの音は聞こえなかった。
俺が感じるものは、水の重さと温度だけだった。
その感覚を維持したまま、俺はターンに入る。
再びの潜水と浮上。
そしてーー。
俺はプールの壁に手を触れ、泳いできて反動を使って海面から顔を上げて掲示板を降り仰いだ。
肩で息をする俺の目に飛び込んだのは、俺の名前の横に表示された、『1』の文字だった。
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