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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第4章 大会の後には!!
「それで、話というのは……」
俺は東堂に指定された通り、体育館裏へやってきた。
そこには俺と、そして顔を俯かせている東堂以外に人はいない。
「あ、あの、お時間取ってしまい、申し訳ありません」
「いや、それはいいんだけど……話って?」
体育館裏、頬を赤らめながら俺と対峙する後輩。
そして二人っきりの俺達。
おいおい、まさかこの状況は……。
「その、私……せ、先輩のこと……」
東堂はほんの少しのためらいの後、頭を下げて叫んだ。
「先輩のこと……好きです!! 男性として!! 付き合ってください!!」
「え、え~と」
お、女の子に……告白された……?
初めての体験に、俺の脳が驚きで真っ白になったようだ。
「それ、本当に?」
あまりに唐突な出来事に、思わず聞き返してしまった。
「はい、突然こんなことを言って迷惑かもしれませんけど……ただ、私の気持ちを伝えたくて……」
「そう、か……」
尚も頭を下げ続ける彼女に、俺はどうしていいか分からずおどおどするだけだった。
だって告白って、恋人になってもらうための申し込みだろ!?
恋人って、デートして、手を繋いで、キスして、それから……。
ふと、俺の脳内にある情景が浮かんだ。
白く艶かしい肌と、流れる黒髪、そして大きな胸……そしてそれらが俺にもたらした快楽。
あれ、そういえば……。
それは、俺が今までおざなりにしていた現実だった。
そうだ、俺は姉貴と、恋人同士でやることをやってたんだ……。
姉弟なのに。

じゃあ、姉貴と俺の関係ってなんなんだ?

真夏の夕暮れに、一匹の蝉の鳴き声が響いている。
俺は背中がじわじわと汗ばんでいくのを感じていた。




そんな俺に、更なる別の現実がやって来た。


その帰り道に、俺はそれを見た。
駅からバス停へと向かう途中にある喫茶店。
重い足取りでその前を通りかかった俺は、そのガラス窓越しに姉貴を見つけた。
いつもよりも、お洒落なように見えるのは気のせいだろうか。
そんな姉貴は、俺が今まで見たことないような、優しい、朗らかな微笑みを湛えている。
その真っ正面にいる、同じような笑顔を浮かべて何か話をしている男に向けて。
とてもお似合いなカップルに見えた。
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