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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第5章 俺の気持ち!!
俺のその言葉に、東堂の瞳に驚きと不安が混ざる。
「その……君には部活でもよく助けてもらってるし、すごい明るいくて、実際かわいい……とは思う。だけど、俺自身、恋とか恋人とか、そういうの分からなくてさ。俺が俺の気持ちが分からないというか……。だから、今君に答えを伝えることはできないんだ……」
俺は頭をかいた。
「そう、ですか……。いえ、いいんです。本当に自分の気持ちを言いたかっただけですし……でも、もしお気持ちが固まったら、改めて教えてください。私、待ってます」
気丈に振る舞う東堂であったが、その声が微かに震えていることは隠せなかった。
そして東堂はもう一度頭を下げると、俺の元から去っていった。
俺はその背中を、ただただ見送り続けた。
と、回顧していたところで俺は喫茶店で見かけた姉貴のことを思い出した。
少なくともこちらの問題にケリをつけずに、東堂からの告白に返事をするのは不義理であろう。
あの男は一体何者なのだろうか?
姉貴とは随分親しげであったが……。
そんなことを考える俺であったが、頭の中には既に『恋人』の文字が浮かんでいた。
そうだよな、大学四年生ともなれば、恋人の一人や二人いたとしてもそれはごく普通のことである。
じゃあ俺との『アレ』は何だったのだろうか。
俺は瞼の裏に、白い柔肌とその温もりを思い描いた。
熱い吐息に、しなやかな指の動きに……。
イカンイカン。
またもよおしてしまう。
そんなことより、恋人でないヤツとあんなことをするのはおかしいだろう。
俺は頭を左右に降り、改めて思案した。
しかし……奔放な姉貴のことだ。
そもそもあんなの、姉貴にとっては俺をからかうための手段の一つだったのではないか?
うん、あり得る。
あり得てしまう。
それに気がついた時、俺はむしろモヤモヤしたものが込み上げてくるように感じていた。
けれど俺はその正体に気がつくことができず、ただ徒に時間を無駄にしていくのであった。
どれほどその状態でいただろうか。
俺の焦点はいつの間にか、部屋のカレンダーに合わさっていた。
7月のカレンダー。
俺は赤丸のついた日付が、明日であることに気がついた。
明日……赤丸……。
俺は驚きのあまり、文字通り椅子から転げ落ちた。
姉貴の誕生日プレゼントを用意していないこと、そして姉貴の誕生日は明日だということに気がついたのだ。
「その……君には部活でもよく助けてもらってるし、すごい明るいくて、実際かわいい……とは思う。だけど、俺自身、恋とか恋人とか、そういうの分からなくてさ。俺が俺の気持ちが分からないというか……。だから、今君に答えを伝えることはできないんだ……」
俺は頭をかいた。
「そう、ですか……。いえ、いいんです。本当に自分の気持ちを言いたかっただけですし……でも、もしお気持ちが固まったら、改めて教えてください。私、待ってます」
気丈に振る舞う東堂であったが、その声が微かに震えていることは隠せなかった。
そして東堂はもう一度頭を下げると、俺の元から去っていった。
俺はその背中を、ただただ見送り続けた。
と、回顧していたところで俺は喫茶店で見かけた姉貴のことを思い出した。
少なくともこちらの問題にケリをつけずに、東堂からの告白に返事をするのは不義理であろう。
あの男は一体何者なのだろうか?
姉貴とは随分親しげであったが……。
そんなことを考える俺であったが、頭の中には既に『恋人』の文字が浮かんでいた。
そうだよな、大学四年生ともなれば、恋人の一人や二人いたとしてもそれはごく普通のことである。
じゃあ俺との『アレ』は何だったのだろうか。
俺は瞼の裏に、白い柔肌とその温もりを思い描いた。
熱い吐息に、しなやかな指の動きに……。
イカンイカン。
またもよおしてしまう。
そんなことより、恋人でないヤツとあんなことをするのはおかしいだろう。
俺は頭を左右に降り、改めて思案した。
しかし……奔放な姉貴のことだ。
そもそもあんなの、姉貴にとっては俺をからかうための手段の一つだったのではないか?
うん、あり得る。
あり得てしまう。
それに気がついた時、俺はむしろモヤモヤしたものが込み上げてくるように感じていた。
けれど俺はその正体に気がつくことができず、ただ徒に時間を無駄にしていくのであった。
どれほどその状態でいただろうか。
俺の焦点はいつの間にか、部屋のカレンダーに合わさっていた。
7月のカレンダー。
俺は赤丸のついた日付が、明日であることに気がついた。
明日……赤丸……。
俺は驚きのあまり、文字通り椅子から転げ落ちた。
姉貴の誕生日プレゼントを用意していないこと、そして姉貴の誕生日は明日だということに気がついたのだ。