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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第5章 俺の気持ち!!
「一歩、踏み出す……」
俺は小声で先生の言葉を反芻した。
「ありがとうございます、先生。俺、ちゃんと向き合ってみます。確かにあやふやにしてきたこと、沢山あったかもしれないです。ありがとうございます、先生。相談にまで乗っていただき……」
「いやいや、それが先生の役目だからね。それに、抽象的なアドバイスしかできてないし。まだまたま僕も、精進が足りないね」
先生は自嘲的に笑った。
よく笑う先生だな、と俺はその様子を見て思った。
親身で爽やかで。
これが女子からの人気の秘訣なのかもしれない。
ちょっと羨ましい。
「さて、せっかくだから送って行くよ。ここからバスで帰るんだろう? 僕、ここまで車で来てるんだ。乗っていきなよ」
やがて夏の太陽が傾き始めた。
佐久間先生は二人の手元のペットボトルが空になった頃合いを見計らい、立ち上がった。
俺は先生の突然の申し出に動揺して、立ち上がるタイミングを逸してしまう。
「いえ、そんな……。悪いですって!」
「いいって、気にしないでよ」
しかし……買い物や相談にまで付き合っていただいた上、ジュースまで奢ってもらったのだ。
さすがにこれ以上甘えるわけにはいかないだろう。
その時、何とかして断る口実を考え目を泳がす俺の目が、駅前を行き交う人々の中から見覚えのある人物を捉えた。
姉貴だ。
黒いスーツを着て、髪をポニーテールに結った姉貴が、男と連れ立って歩いていた。
……この前姉貴と喫茶店で談笑をしていた男だ。
「先生、今日はありがとうございました。ただ、ちょっと用事ができてしまって……。お暇させてもらいます。アドバイス、さっそく実行してみます」
「そっか。それじゃあ仕方ないね。また新学期に」
俺は先生に礼をすると、そのまま小走りで人混みに向かった。
その途中にあるゴミ箱に、握っていたペットボトルを投げ捨てながら。
一歩、踏み出す。
俺はその言葉を胸に、二人の前に立ちはだかる。
二人は俺に気がつくなり、驚いて目を見開き立ち止まった。
は、いいものの、俺の動きはそこで完全停止。
俺はかけるべき言葉を全く考えてはいなかった。
いきなり『あんたは姉貴の何なんだ?』なんて、不躾にも程があるだろう。
ヤバい。
俺を見る二人の目は、不審者を見つめるそれだ。
駆け出した時の勢いはすっかり消え失せ、微妙な間が生まれ始める。
「えっと……矢作さんの知り合い?」
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