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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第5章 俺の気持ち!!
村田さんは姉貴の言葉に少し思案した後、あっけらかんとした笑顔で言った。
「矢作さんは僕が男の人が好きって知っても、変わらず接してくれてるから、弟くんも大丈夫かなぁって。それに、弟くんに納得してもらうにはこれが手っ取り早いでしょ?」
村田さんは、やっぱりあっけらかんと笑いながらスマートフォンを取り出した。
「この人が僕の恋人。だから君のお姉さんを取ったりはしないよ」
その画面には、村田さんと彼とは真逆な印象の、派手に着飾った男の人が仲良く写真に収まっていた。
「あ、そう、なんですか……なんていうか、すみません……俺……」
「いいよ、気にしないで。別に殊更隠してたってわけじゃないしさ。元々誰かに尋ねられたら答える予定だったんだ」
そんなカミングアウトをされたのは初めてであった俺は、どうリアクションしていいか分からずにいた。
それでも村田さんは優しく俺を許してくれた。
いや、しかし俺にはそれ以前に引っかかる文言があった。
「いや、姉貴が取られるとかそんなのどうでもいいですから!!」
そこだけは頑なに否定させてくれ!
と強く願った。
「え? 違うのかい? なんだか怖い表情で詰め寄ってきたから、そうなのかと……」
確かに、さっきの俺は大変勢いづいていたが。
ただ、現に俺は姉貴に恋人がいたかどうかを悩んでいたわけで……。
自分でも、もはや気持ちや言動がちぐはぐになっているのが分かる。
「ごめんなさいね、村田くん。私の弟が……」
そんな俺と村田さんの間に、姉貴が割って入って頭を下げた。
「いいっていいって。それじゃ、あとは家族水入らずでどうぞ。また次の授業で。それと」
ふと、村田さんは俺の耳元に顔を寄せた。
「お姉さんと、仲良くね」
村田さんは俺達に手を振ると、雑踏の中へ消えていってしまった。
その様子は爽やかな春の風の如くである。
俺は村田さんの言葉の真意を探しながら、それを見送った。
「それで、お前は一体なにが目的だったんだ?」
しかしその後に俺に降り注いだのは、姉貴のブリザードのような冷たい視線だ。
「え~と……じ、実はですねぇ……あ、そうだ!」
俺はポケットの中に入れていたプレゼントの存在を思い出すと、それを取り出した。
「こ、これを買いに来たんだよ! そしたら、たまたま姉貴を見つけたから……」
取り繕うようにプレゼントを姉貴に差し出して、早口気味に言った。
「矢作さんは僕が男の人が好きって知っても、変わらず接してくれてるから、弟くんも大丈夫かなぁって。それに、弟くんに納得してもらうにはこれが手っ取り早いでしょ?」
村田さんは、やっぱりあっけらかんと笑いながらスマートフォンを取り出した。
「この人が僕の恋人。だから君のお姉さんを取ったりはしないよ」
その画面には、村田さんと彼とは真逆な印象の、派手に着飾った男の人が仲良く写真に収まっていた。
「あ、そう、なんですか……なんていうか、すみません……俺……」
「いいよ、気にしないで。別に殊更隠してたってわけじゃないしさ。元々誰かに尋ねられたら答える予定だったんだ」
そんなカミングアウトをされたのは初めてであった俺は、どうリアクションしていいか分からずにいた。
それでも村田さんは優しく俺を許してくれた。
いや、しかし俺にはそれ以前に引っかかる文言があった。
「いや、姉貴が取られるとかそんなのどうでもいいですから!!」
そこだけは頑なに否定させてくれ!
と強く願った。
「え? 違うのかい? なんだか怖い表情で詰め寄ってきたから、そうなのかと……」
確かに、さっきの俺は大変勢いづいていたが。
ただ、現に俺は姉貴に恋人がいたかどうかを悩んでいたわけで……。
自分でも、もはや気持ちや言動がちぐはぐになっているのが分かる。
「ごめんなさいね、村田くん。私の弟が……」
そんな俺と村田さんの間に、姉貴が割って入って頭を下げた。
「いいっていいって。それじゃ、あとは家族水入らずでどうぞ。また次の授業で。それと」
ふと、村田さんは俺の耳元に顔を寄せた。
「お姉さんと、仲良くね」
村田さんは俺達に手を振ると、雑踏の中へ消えていってしまった。
その様子は爽やかな春の風の如くである。
俺は村田さんの言葉の真意を探しながら、それを見送った。
「それで、お前は一体なにが目的だったんだ?」
しかしその後に俺に降り注いだのは、姉貴のブリザードのような冷たい視線だ。
「え~と……じ、実はですねぇ……あ、そうだ!」
俺はポケットの中に入れていたプレゼントの存在を思い出すと、それを取り出した。
「こ、これを買いに来たんだよ! そしたら、たまたま姉貴を見つけたから……」
取り繕うようにプレゼントを姉貴に差し出して、早口気味に言った。