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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第6章 金髪美女の誘惑!!
「隆一、スミレ、元気にしてた?」
「お、おかえりなさい……」
俺は玄関先で手を振る母の姿と父の姿と……そして見覚えのない女性の姿を見た。
金色のミディアムショートの髪が、真夏の太陽の下で揺れている。
そしてぱっちりと開かれた緑灰色の瞳は、土間に倒れたままの俺を見つめて輝いていたのだ。

まずは俺の両親の仕事について話をしておかねばならないだろう。
俺の父親はウェディングドレスのブランド『イル・パラディーゾ・デル・ソーレ(Il paradiso del sole)』の専属デザイナーをしている。
そして母・百合恵は父の製作スケジュールの管理や会社との連絡などの事務作業を請け負っている。
このブランドはイタリアの企業で、ヨーロッパを中心に展開しており、二人はそのためほとんどヨーロッパを渡り歩いているのだ。
そのブランドが近々、日本向けに商品を展開していくそうだ。
その先駆けとして、今度のファッションショーが開催されるらしい。

「それでね、その企画の主任にパパが選ばれたのよ~! さすがパパねぇ~!」
「いやぁ、そんなことはないよ! ママが側にいてくれたから僕はここまで頑張れたんだ!」
「やだぁ、もう! パパったら~!」
そして今、テーブルを挟んで俺の正面でイチャイチャバカップルぶりを晒しているのが、俺の両親である。
俺は姉貴と肩を並べてそれを眺めている。
もう恥ずかしいったらありゃしない。
しかしながらこの二人のスタンダードは、こうなのだから仕方ないと割りきる他にない。
両親が常に家を開けてくれてよかったと思うのは、この二人のスキンシップが普通のことであると幼少期の内に刷り込まれなくて済んだということか。
「それで、この人は一体……」
俺は俺達姉弟と両親の間、いわゆるお誕生日席に座る、先ほどの金髪の女性に目を向けた。
彼女はニコニコ朗らかな微笑みで俺の方を見ている。
「あぁ、彼女はマリアーナさんだ。今度のファッションショーで僕がデザインしたドレスを着てくれるモデルなんだよ」
「こんにちは、マリアーナデス!! イタリアでモデルをしていましたが、今度のファッションショーに出るために日本に来マシタ!!」
少し訛りがあるものの、分かりやすくハキハキした言葉で喋るマリアーナさん。
「それはいいんですけど……なんで我が家にいらっしゃっているのです?」
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