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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第6章 金髪美女の誘惑!!
姉貴はこういうグイグイ来るタイプは苦手なのかもしれない。
俺達は和気あいあいと談笑に勤しんだ。
ほとんど聴き手に回っていた俺であるが、明るいマリアーナさんの言葉は、ただ聴いているだけでも楽しい。
それは出前の寿司が届いてからも続いた。
「う~ん!! とってもおいしいデス!! さすがはタカシデスね!!」
マリアーナさんは寿司を一口食べると、感極まったとばかりにはしゃいでいる。
俺達姉弟は、マリアーナさんのその様を寿司を口に運びつつ見ていた。
しかし……。
「あの、マリアーナさんの年齢、聞いてもいいですか?」
俺は頃合いを見て訊ねてみた。
一見すると大人っぽい印象のマリアーナさんであるが、その言動や笑顔はむしろ自分より幼くも見える。
それ故にイマイチ年齢を掴みにくかったのだ。
「私? 私は18才デス。リュウイチくんとそんなに年齢が遠くないデスよ。だからそんなにカシコマッテいなくてもいいデスよ!!」
「そうなんですか。じゃあ、えーと……よろしくね、マリアーナ」
マリアーナさん……改めマリアーナは俺にウィンクで答えた。
俺はそのウィンクを、ドギマギと受け止めた。
「さて、そろそろ出るか。ちょっと車を出してくるよ」
やがてテーブルの上の寿司がひとつ残らず無くなったころ、父さんが立ち上がった。
そろそろファッションショーの会場に出かける時間になったようだ。
俺はそれを見ながら、ぼんやりと考えた。
(そういえば俺、ずっと部屋着のままだ……)
部屋着のままで客人の前に出ていたことを自覚すると、無性に恥ずかしくなる。
俺は今さらながらマリアーナの顔を覗きこんだ。
マリアーナは父さんの言葉に明るく返事をしている。
ふと、彼女の横顔を見つめる俺の瞳と、振り返った彼女の瞳がふいにぶつかる。
マリアーナはにっこりと俺に微笑んでくれた。
俺は慣れないその反応に、思わず顔を赤らめて俯いてしまった。
情けないことに。
父さんと母さんが家を出た頃、俺はモデルの隣に立つにふさわしそうな服をタンスの中から探した。
(つってもなぁ……)
俺はファッションのことなど、よく分からないのである。
デザイナーの息子でありながらも、である。
俺はタンスの引き出しを漁りながら、ぐるぐると考えを巡らす。
「リュウイチくんには、この色が似合うと思いますよ!」
その思考は、突如耳元で聞こえてきた声に遮断された。
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