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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第6章 金髪美女の誘惑!!
「そろそろイルカショーの時間だけど?」
突如肩を叩かれた俺は、ここしばらくないくらいに飛び上がって驚いた。
見ると姉貴がひどく覚めた目で俺達を見ていた。
「まぁ、そうデシタか!! それならすぐに行きまショウ!!」
マリアーナはさっきまでのことはまるでなかったかのように、飛びはねながらまた人混みを縫うように駆け出した。
「ちょっと!! マリアーナ……!?」
俺は慌ててそれを追いかけようとした。
けれど俺の目の前に別の背中が入ってきて、行く手を遮った。
「あっ……え~と……」
姉貴である。
姉貴は背後の俺を冷たい目で一瞥すると、すぐにマリアーナの行った道を歩きはじめた。

イルカが軽快な音楽に合わせて、水しぶきを上げ飛び上がり愛嬌を振り撒いている。
そのショーの内容が頭に入らない俺は、ただ体と表情を硬直させるばかりだ。
「ほら、リュウイチくん! イルカが可愛いデスよ!」
「う、うん……」
相変わらずマリアーナは俺の右腕に絡みついて、甘い香りを振り撒く。
しかし俺がぎこちなく過ごしている理由は、これ以外にもあった。
俺はちらりと左側に目をやった。
姉貴は無表情でイルカショーを眺めている。
そういえばあの時、姉貴の存在を完全に意識の外に追いやっていた。
せっかく楽しい場所に来たのに、自分だけ蚊帳の外なんて、確かに不愉快であろう。
マリアーナが客人とはいえ、さすがに申し訳ないことをしたかもしれない。
そうやって俺は、イルカショーを眺め続ける姉貴の横顔を時折覗いては、不安な心持ちになるのである。

その日の夜。
「どうだった? 日本は?」
「はい、とっても楽しかったデス! 特にイルカショーは……」
ファッションショーの会場の下見から帰ってきた両親は、夕食の席でマリアーナを質問攻めにした。
夕食は普段俺が作っている料理を出した。
マリアーナに合わせて大皿に盛るのではなく、小皿にそれぞれの食べる分を盛っているが、それ以外にこれといって変わったところはない。
俺は鶏肉のトマト煮を掻き込みながら、その様子を眺めた。
「そうそう、それでデスね、リュウイチくんったら私のことを『綺麗』って誉めてくれたのデス!!」
突然のマリアーナの言葉で、俺はトマトの果肉を気管支へ入れてしまった。
「マリアーナ!! あれは……!!」
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