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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第7章 男の手に堕ちて
「でも!! これは立派な犯罪だろ!? その内もっとエスカレートするかもしれないだろ!! だったら……」
ここまで言って、俺は姉貴の表情に気がついた。
その表情は、今まで見た姉貴の表情の中でも一番暗いものかもしれない。
「……」
「これからもっと酷いことが起こるかもしれない。けど警察に連絡したところで、これが知れ渡ることを防げるわけじゃない。……なら私達にできることは、犯人が優しい人間であることを願うしかないんじゃない?」
犯人が優しい人間の確率なんて、もっとあり得ない。
ただ、もしこれを隠し通したいのであれば、それに賭けるしかないというのも分からなくはない。
「……」
言いたいことは、山ほどあるような気がする。
けれど姉貴の表情が、その全てを封じてしまうのである。
それになにより、それを伝えるための言葉は俺の頭の中にはなかった。
姉貴はそんな俺に背を向け、自分の部屋へと向かう。
俺はただただ、それを見送ることしかできなかった。
俺は暗い気持ちを抱えたまま、次の日を迎えた。
「東堂、今日も休みみたいだな」
「なんか、体調が悪いっぽいよ」
部活中、俺の耳にどこからかそんな会話が聞こえてきた。
未だに東堂は部活に顔を出していない。
理由は間違いないだろう。
余計なことに巻き込んでしまった……。
それがただただ悔やまれた。
あの写真を送りつけた犯人は、彼女を、そして姉貴をも傷つけた。
それを考えると、俺は次第に犯人に怒りの感情を覚えはじめていた。
いざとなれば、俺が何とかしなければ。
俺は水面を睨みつけ、その中へ飛び込んだ。
そうして一日を過ごした俺は、傾いた日が当たる下駄箱へ自分の上履きをしまった。
その時突然、背中から強い衝撃を受けた。
「なんだよ矢作、もう帰るのかよ? まぁ俺も今日は早めに帰るけどさぁ」
それを与えた人物は、俺の横に並びながら上履きを履き替える。
「な、なんだ間嶋か……」
間嶋は無論、俺の身の上など知らないから、至ってお気楽に話しかけてくる。
しかし俺は間嶋が手に持つものに気がついてしまった。
それは例の写真が入っていた封筒と同じものであったのだ。
「間嶋、それ……」
顔から血の気が引くのを感じる。
それをこらえながら、俺は間嶋の手の中にある封筒を恐る恐る指差した。
ここまで言って、俺は姉貴の表情に気がついた。
その表情は、今まで見た姉貴の表情の中でも一番暗いものかもしれない。
「……」
「これからもっと酷いことが起こるかもしれない。けど警察に連絡したところで、これが知れ渡ることを防げるわけじゃない。……なら私達にできることは、犯人が優しい人間であることを願うしかないんじゃない?」
犯人が優しい人間の確率なんて、もっとあり得ない。
ただ、もしこれを隠し通したいのであれば、それに賭けるしかないというのも分からなくはない。
「……」
言いたいことは、山ほどあるような気がする。
けれど姉貴の表情が、その全てを封じてしまうのである。
それになにより、それを伝えるための言葉は俺の頭の中にはなかった。
姉貴はそんな俺に背を向け、自分の部屋へと向かう。
俺はただただ、それを見送ることしかできなかった。
俺は暗い気持ちを抱えたまま、次の日を迎えた。
「東堂、今日も休みみたいだな」
「なんか、体調が悪いっぽいよ」
部活中、俺の耳にどこからかそんな会話が聞こえてきた。
未だに東堂は部活に顔を出していない。
理由は間違いないだろう。
余計なことに巻き込んでしまった……。
それがただただ悔やまれた。
あの写真を送りつけた犯人は、彼女を、そして姉貴をも傷つけた。
それを考えると、俺は次第に犯人に怒りの感情を覚えはじめていた。
いざとなれば、俺が何とかしなければ。
俺は水面を睨みつけ、その中へ飛び込んだ。
そうして一日を過ごした俺は、傾いた日が当たる下駄箱へ自分の上履きをしまった。
その時突然、背中から強い衝撃を受けた。
「なんだよ矢作、もう帰るのかよ? まぁ俺も今日は早めに帰るけどさぁ」
それを与えた人物は、俺の横に並びながら上履きを履き替える。
「な、なんだ間嶋か……」
間嶋は無論、俺の身の上など知らないから、至ってお気楽に話しかけてくる。
しかし俺は間嶋が手に持つものに気がついてしまった。
それは例の写真が入っていた封筒と同じものであったのだ。
「間嶋、それ……」
顔から血の気が引くのを感じる。
それをこらえながら、俺は間嶋の手の中にある封筒を恐る恐る指差した。