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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第7章 男の手に堕ちて
「あぁこれ? 何かの懸賞に送るヤツっぽい。母ちゃんに頼まれたんだけどさ、すっかり忘れてたんだわ。ちょっとそこのポストに入れてくる」
確かに間嶋の持つ封筒には切手が貼り付けられ、どこかの事務所の所在地を示しているであろう住所が記されている。
「お、おう……そっか……」
それに気がついた俺は、幾ばくか心の平静を取り戻しながら、辺りを見回した。
「あ、悪い。俺、忘れ物したっぽいから、先に帰ってて」
俺は間嶋に適当に言い訳をして、その場から駆け出した。
間嶋が後ろで何か言っているのが聞こえてきたけど、聞こえない振りをして走った。
やがて俺は、校舎脇の駐車場に辿り着いていた。
ここは車で通勤する先生しか使わないから、あまり人は来ないであろう。
そこで誰もいないことを確認し、深呼吸を一つする。
(完全に疑心暗鬼になってるな……)
俺は首筋を伝う汗を、襟で適当に拭った。
そんなに走ってもいないはずなのに、いつの間にか息が上がっている。確かに姉貴は警察に言うつもりはないと言っている。
しかしそれで俺達は平穏に過ごせるというわけでもない。
もしかしたら、十年後にあの写真がばら蒔かれるかもしれない。
いや、明日にでも校舎内に貼り付けられるかもしれない。
あの写真がある限り、俺達に平穏は訪れることはないだろう。
(ん? 校舎内……?)
ふと俺は自分の思考に妙な引っ掛かりを覚えた。
しかしそれは、駐車場に人が入ってきた気配に掻き消された。
見覚えのある人物が、駐車場にやってきたのだ。
「こんにちは、矢作くん。どうしたんだい? こんなところで?」
「あ、ども」
佐久間先生だ。
相変わらず女子に人気の爽やかな風を纏っている。
しかし俺は今、そんな風では吹き飛ばせない程の、重い感情を引きずっているのである。
自然、挨拶も暗いものになってしまう。
佐久間先生はそんな俺を一瞬、怪訝そうに首を傾げたのの、すぐにまた笑顔になった。
「もしかして、また何か悩んでいたり? 相談ならいつでも歓迎だよ」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど……」
俺は自分の心中を悟られまいと、佐久間先生から視線を反らした。
「そう。それならいいんだけど……。困ったことがあったら、いつでも先生を頼るんだよ?」
佐久間先生はそう言いながら、紺色のセダンの扉を開けた。
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