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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第1章 始まりのバスタオル!!
スマホのアラームが、俺の眠りを中断させた。
それを今だぼんやりする頭を上げ、アラームを切った。
(……どういう顔で、下に行けばいいんだ)
徐々に醒めていく頭が、昨日のことを思い返す。
あれ以降、俺はベッドの中に潜りこんで一歩たりとも出ることができなかった。
一度、姉貴が夕飯ができたことを告げる声が聞こえた。
しかしあの出来事の後、どういう顔で、どういう態度で過ごすべきかーーその答えが見つからず、返事ができなかったのだ。
そしていつの間にか、朝が来てしまった。
「……よし」
一念発起、俺はベッドから降りた。
いつまでウジウジ考えていても、何かが変わるわけじゃない。
俺は重い足を引きずりながら、ダイニングへ向かった。
道中、なにか美味しい匂いがしてきた。
「……おはよう。よく起きれたな。偉いぞ」
姉貴だ。紺色のカーディガンを羽織った姉貴が、朝食を作っていた。
「先にご飯をよそっててくれ。もうすぐできる」
いつもと変わりない姉貴に、俺は拍子抜けしながらも、指示に従った。
やがて俺の前に、ご飯と味噌汁、そして姉貴が作ったチーズオムレツが並んだ。
「いただきます」
「……いただきます」
俺達は向かい合って座り、何の変哲のない朝食に箸をのばした。
「すごい、柔らかかった」
食事の最中、突然姉貴が大仰に呟いた。
その言葉に、俺は危うく味噌汁を吹き出しそうになった。
「まさかこんな形で、弟の成長を拝めるとは。いや、もう今年で17になるんだもんな。異性に興味を持つのは当然のことだ……」
「あっ……! あれは!!」
俺は思わず箸を置いて抗議の声をあげた。
けれどその声は情けない程上擦っていた。
徐々に赤みを帯びていく俺の顔と相まって、醜態の上塗りだ。
「あれは、何?」
姉貴も俺に続き、箸を置く。
そしてテーブルに肘を付き、掌で自身の頬を支えると、挑発的に俺を見上げた。
その瞳に射抜かれた俺は、ただ萎縮するしかなかった。
「安心しなよ。悪いようにはしないから。せっかく面白くなってきたんだ。こんなオモチャ、みすみす手放す訳がないでしょう?」
姉貴は俺の頬に手を伸ばすと、赤らむそこを優しく撫でた。
その姉貴の表情に、俺の中の期待と不安がむくむくと膨れ上がっていった。
俺はもう、姉貴のいたずら心に囚われてしまったようだ。
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