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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
深々とため息を吐いた佐久間は、億劫そうに腰を上げるとまだ半分だけ酒の残っていたボトルを掴むと、キッチンへ向かった。
そして流しの前に立つと、残った酒をそこへ流した。
赤い液体が、流しを侵食する。
「……!! し、駿!?」
佐久間の後を追ってキッチンに入ってきた女は、あまりの景色に言葉を失ってしまった。
しかし佐久間はボトルを空にすると、何事もなかったかのように、再びソファーへ腰をかけた。
しばらくそんな彼を呆然と眺めていた女は、やがて本当に彼の視界に自分が入っていないことを認めた。
彼女は自身の瞳に涙が貯まっていくのを感じながら、股を垂れる精をティッシュで拭うと、脱ぎ捨てたショーツを履いた。
愛液で濡れたそれを再び履くのは気持ちが悪く、惨めな気持ちにさせたがそうする他になかったのだ。
そして彼女は自分の鞄を掴み、逃げるようにマンションの部屋から飛び出した。
彼女の頬に涙が伝うことに気を止める人間は、どこにもいなかった。
彼女はマンションのエレベーターの中で、佐久間と出会った日のことを思い出していた。
いわゆる合同コンパで知り合った彼であったが、一緒に来ていた友人も皆、彼に夢中になっていた。
彼と近い席に座ることはできなかったけれど、彼が自分に熱い視線を送っていることには、彼女は気がついていた。
コンパがお開きになった後、彼が真っ先に『また会いたい』と連絡してきたのも自分である。
そして彼と付き合い出してからは、その優越感にどっぷりと浸っていたのだ。
一緒に合コンに参加した友人達には黙っていたけど、あの場にいた誰よりも素敵な彼と付き合っていることに、内心ではせせら笑ってもいた程である。
しかし……彼は逢瀬を重ねるにつれ、徐々に自分に冷たくなっていった。
最初こそ自分を熱く抱擁してくれたものだったが、今では彼が自分に向けてくる行動全てが冷淡になっていた。
彼女はそれを考え、更に涙を流していた。

佐久間は女が部屋を出たのを見計らうと、寝室へと向かった。
そしてそこのクローゼットを開ける。
彼は先程の女を突き放した時よりも冷たい目で、そこに閉じ込めていた人物を見下ろしていた。
その人物……スミレは下着姿でそこに座っていた。
目は布切れで塞がれており、口にはギャグボールが嵌められている。
そして両腕は、胸の前できつく縛られていた。
佐久間はスミレの瞳を覆う布切れを解いた。
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