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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
画面の東堂は、一瞬驚いたように目を見開くとすぐに強張った顔で目礼をした。
俺はすぐに玄関を開けた。
そこには画面で見た通りに東堂が立っていた。
「どうしたの? こんなところまで……」
どうしたもこうしたも、用件はだいたい絞られる。
「その、勝手にお姉さんに着いていって、勝手に家まで来て、まずはごめんなさい……。それで……その……」
東堂は頭を下げながら言った。
けれど伝えたいことが、彼女自身にも定まっていないようだ。
「……とりあえず、上がって。こんなところで立ってたら、暑いだろ?」
俺は扉をさらに大きく開け、彼女を中へ招き入れるように壁に身を寄せた。
東堂はそんな俺にどうしていいか分からず、一瞬しどろもどろとするが、すぐに頭を下げてゆっくり扉をくぐった。
東堂をリビングに招き入れた俺は、グラスに麦茶を注いで彼女に差し出した。
「あ……ありがとうございます……」
彼女はそれを両手で受け取り二口ほど飲み込んだ。
「それで、また何かあった……?」
俺は一番危惧していることを彼女に訊ねた。
その間、俺はあの男のことが脳裏に浮かんでいた。
「いえ、そういうわけじゃないんです……ただ、謝りに来たんです」
「謝る?」
俺は彼女の言葉に首を傾げた。
東堂は生唾を飲み込むと、真摯な眼差しで俺をまっすぐ見つめた。
「私、あれを見てからどうしていいか分からなくて、でも矢作先輩に直接相談するのも……何て言うか気が引けて……でもお姉さんなら、同性だから相談できると思って……。だからあの日、私はお姉さんを追って……しまって……」
けれど徐々に小さくなる東堂の声。
俺は黙ってそれを聞いた。
「それに私、相談とか話を聞くとか、そういうことを全然しなくて、結局お姉さんにあの写真を放り投げただけで……全然役に立たなくて……泣いて帰って……」
そして東堂は改めて俺に頭を下げた。
「ごめんなさい!! 私、何も出来なくて!! ただお二人を不安にさせたり、傷つけたりさせて!!」
俺は彼女の勢いに、たじろいでしまった。
けれど何とか俺は平静を取り戻して彼女の目の前に膝をついた。
「いやいや、むしろ謝るのは俺の方だから……。そもそも君は本来なら部外者なんだし……。そもそも君だって、だいぶ傷ついただろ?」
「それでも……やっぱり私自身が、納得できなくて……」
ただ巻き込まれただけの彼女が、頭を下げる理由などない。
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