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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
「そうじゃなくとも、犯人との共通の知り合いとか……」
「共通の知り合い、ねぇ」
俺は天井を仰いだ。
確か姉貴と佐久間先生は、同じ大学だと言っていた。
「あっ……!」
俺は思わず立ち上がった。
そういえばいるじゃないか!
共通かどうか分からないけど、俺とも顔見知りな大学の友人が!
「ありがとう、東堂! とりあえず、今日は一旦帰って貰える? ちょっと心当たりを思い出したんだ。そこを当たってみる」
「本当ですか!?」
東堂がこの時、今日初めての笑顔を見せてくれた。
東堂は俺からあらましを聞くと、まるで自分のことのように喜んでくれた。
「それじゃあ、私はこれで」
俺は東堂を玄関まで見送った。
「あ、それと」
帰り際、東堂は俺の方を振り返った。
「もしもお姉さんが戻ってきたら、お姉さんとお幸せに」
そう言って、彼女は頭を下げた。
「え、いや、そんな……」
俺は彼女に何かしらの弁明をしようとして、弁明するべきことは何もないことに、数秒後に気がついた。
いつからだろうか。
姉貴を姉貴以上に見始めたのは。
最初はただ性欲を掻き立てられて、一心に貪っていただけだったけど……。
でもそれだけじゃ物足りなくて、次第に姉貴の行動が気になりはじめて……。
と、今はそんなことを考えても仕方ない。
とりあえずやるべきことをやるのだ。
(っつってもなぁ……)
俺はリビングに戻ると、姉貴のスマホの画面とにらめっこをしていた。
多分、この中には姉貴の大学のゼミ仲間の連絡先が入っている。
しかしそれを知るには、まずこのスマホの四桁のパスワードが必要である。
無論、俺はそれを知らない。
俺はとりあえず、姉貴の誕生日を入力してみた。
……開かない。
まさかこんな早くに躓くなんて。
俺は頭を抱えて唸った。
四桁の数字を『0000』から『9999』まで順繰りに打っていくか。
いや、いくらなんでも時間が係りすぎる。
俺はそう考えながら、適当に目についた数字や、思いついた番号を打っていく。
しかしどれも見事に外れた。
その最中俺は、ヤケクソで自分の誕生日の日付を入れた。
「あ……開いた?」
あまりにもアッサリと開いた。
(なんで俺の誕生日……?)
そんなことを考えながら、姉貴のスマホの電話帳を呼び出す。
そしてその人の名前を探す。
あった。
そのまま迷わずその人の番号に電話をかけた。
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