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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第8章 君を追って!!
佐久間駿という男が、俺の高校に臨時の教師として来たこと。
その男はかつて姉貴と同じ大学に通い、姉貴に横恋慕していたこと。
村田さんは突然の電話にも関わらず、真剣に俺の話を聞いてくれた。
「それで、その……佐久間駿は姉貴の弱味を握ったんです。それを使って姉貴を脅して、姉貴をどこかへ連れて行ってしまって……。警察に相談しようにも、姉貴本人が事を公にしたくないって言うんです」
あの写真のことは、黙っておくことにした。
『それで、君が君自身でお姉さんを助けなきゃって思ったんだね?』
「……はい。もし佐久間駿の情報を、何か知っていたら教えてください。できたら居場所とか。どうしても、姉貴のことを助けなきゃいけないんです」
自分の言葉に、胸が締めつけられそうだ。
今頃姉貴は、どんな風に佐久間駿の元で過ごしているのだろうか。
それを考えると、怒りや悲しみが体の奥底から沸き上がってくるような感覚を覚える。
しかしだからこそ、一刻も早く姉貴を助けなければとも思うのである。
『分かった。……実は佐久間さん、結構大学内でも悪名が高かった人なんだ。何人もの女の子が泣かされてきたからね。だから僕も色々情報を集めてみるよ。もしかしたら、佐久間さんの居場所を知っている人がいるかもしれないから』
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
俺達はその言葉を最後に別れの挨拶をすると、通話を切った。
俺は待ち受け画面になった姉貴のスマホを手の中に見下ろしながら、唇を噛み締めた。
(姉貴……)
俺の脳裏には、もうすでに何度も姉貴と佐久間駿の去り行く姿が浮かび上がっていた。
今は、あの背中に今後こそ手を伸ばすという決意を添えていた。
村田さんから再び連絡があったのは、それから三日後のことであった。
その間、俺は何事もなかったように部活動に参加をした。
高校にいれば、もしかしたら佐久間駿の情報が掴めるかもしれないと踏んで。
「ねぇ、最近佐久間先生が学校に来ないんだって」
女子達のそんな会話が聞こえたのは、昼飯を食べている時であった。
「連絡も全然つかないって、他の先生が言ってた。急にどうしちゃったんだろ?」
その言葉に耳を傾けながら弁当箱をしまい、トイレへ向かうために立ち上がった俺の元にやってきたのは、東堂である。
「先輩、それで……」
彼女は彼女なりに、立ち直ってくれた。
その男はかつて姉貴と同じ大学に通い、姉貴に横恋慕していたこと。
村田さんは突然の電話にも関わらず、真剣に俺の話を聞いてくれた。
「それで、その……佐久間駿は姉貴の弱味を握ったんです。それを使って姉貴を脅して、姉貴をどこかへ連れて行ってしまって……。警察に相談しようにも、姉貴本人が事を公にしたくないって言うんです」
あの写真のことは、黙っておくことにした。
『それで、君が君自身でお姉さんを助けなきゃって思ったんだね?』
「……はい。もし佐久間駿の情報を、何か知っていたら教えてください。できたら居場所とか。どうしても、姉貴のことを助けなきゃいけないんです」
自分の言葉に、胸が締めつけられそうだ。
今頃姉貴は、どんな風に佐久間駿の元で過ごしているのだろうか。
それを考えると、怒りや悲しみが体の奥底から沸き上がってくるような感覚を覚える。
しかしだからこそ、一刻も早く姉貴を助けなければとも思うのである。
『分かった。……実は佐久間さん、結構大学内でも悪名が高かった人なんだ。何人もの女の子が泣かされてきたからね。だから僕も色々情報を集めてみるよ。もしかしたら、佐久間さんの居場所を知っている人がいるかもしれないから』
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
俺達はその言葉を最後に別れの挨拶をすると、通話を切った。
俺は待ち受け画面になった姉貴のスマホを手の中に見下ろしながら、唇を噛み締めた。
(姉貴……)
俺の脳裏には、もうすでに何度も姉貴と佐久間駿の去り行く姿が浮かび上がっていた。
今は、あの背中に今後こそ手を伸ばすという決意を添えていた。
村田さんから再び連絡があったのは、それから三日後のことであった。
その間、俺は何事もなかったように部活動に参加をした。
高校にいれば、もしかしたら佐久間駿の情報が掴めるかもしれないと踏んで。
「ねぇ、最近佐久間先生が学校に来ないんだって」
女子達のそんな会話が聞こえたのは、昼飯を食べている時であった。
「連絡も全然つかないって、他の先生が言ってた。急にどうしちゃったんだろ?」
その言葉に耳を傾けながら弁当箱をしまい、トイレへ向かうために立ち上がった俺の元にやってきたのは、東堂である。
「先輩、それで……」
彼女は彼女なりに、立ち直ってくれた。