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えっちな姉は俺の成長を喜んでいるらしい
第9章 繋がって!!
だから姉貴にも、同じ言葉を言わせたかったのだ。
「……隆一」
けれど姉貴は、その薔薇の花が咲いた頬を上げて俺を上目遣いで見つめるばかりだ。
「姉貴……?」
俺が怪訝に首を傾げた、その時だった。
不意に姉貴がつま先立ちをして、俺の眼前に迫ってきたのだ。
俺の視界には、姉貴の耳たぶがあった。
いや、それよりも俺は、自分の唇に柔らかいものが当たっていることに頭が燃えるように熱くなっていた。
「ん……」
俺は何か言おうとしたけど、塞がれた唇は言葉を封じてしまう。
俺はその柔らかさを甘んじて受け入れるしかない。
やがて俺の唇から、それは離れた。
「どう?」
姉貴はそう言って、俺を再び上目遣いでみつめ始めた。
「……ムカついた。そうやってはぐらかして、結局姉貴の口から聞けなかった」
正直な気持ちを、むくれながら姉貴に伝えた。
姉貴は少し驚いたように目を見開くと、やれやれと頭を降った。
けれどその直後、優しい色を湛えた瞳は真っ直ぐに俺を見つめた。
「大好き。大好きに決まっている」
赤い頬に、その瞳。
まるで俺達の周りには、星が降り注ぎ花が咲き乱れているのではないかと見紛うばかりだ。
俺も姉貴と同じ表情をした。
俺達の間に、最早壁はなかった。
姉弟だとか、そんなことは関係ない。
今ここには、愛し合う男と女がいるだけだ。
今度は俺から、姉貴の唇に自分の唇を寄せた。
最初は軽く触れるようなキス。
それを角度を何度も変えて姉貴の唇に落とす。
「ん……」
やがて姉貴の唇が、僅かな隙間を作った。
俺は軽く舌を出すと、その隙間を舌で撫でた。
姉貴の舌も隙間から覗き、俺の舌に愛しげに絡んだ。
俺はそれに誘われるがまま、姉貴の口腔内に舌を侵入させた。
「ん……ぁむ……」
お互いがお互いを貪る吐息と水音が、リビングの中に響いた。
口の端から、お互いの唾液が垂れる。
けれど俺達はそんなこともお構い無しにただ互いを求めあった。
やがて息が続かなくなったのか、姉貴が俺の肩を押して唇を離した。
「……っはぁ、はぁ」
肩で息をしながら呼吸を整える姉貴。
長い黒髪が、姉貴の頬に無造作に垂れて柔らかな頬に強烈なコントラストを落としている。
「……姉貴」
そんなコントラストに誘われた俺は、姉貴をソファーに押し倒した。
「悪い、なんか……そういう気分になってきた」
俺は両手を姉貴の顔の横に囲い込むように立てた。
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