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妖艶な彼女
第4章 淫魔の目覚め
夜の街に出てきたはいいものの、初めての相手をどうやって決めたらいいのかわからなかった。


街行く人を、ベンチで眺めながら、品定めをしてみたが、いまいちピンと来ない。


初めての経験は、もっとロマンチックなものだと思ってた。


お互い恋に落ちて、自然と体を重ねてく…。


そんなイメージだったのに…。


まさか、初めての人を命懸けで探すことになるとは…。


大きなため息をついてしまう。


初体験はともかくとして、お付き合いぐらい誰かとしておけば良かった。


そしたら、少しは気が楽になったのかもしれないのに。


ぎゅっとスカートの裾を握りしめた。


母の貸してくれたスカートは短すぎて、まだ寒い春の風が下から入ってきてスースーする。


これで男を誘惑しろってか……。
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