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愛欲の部屋
第1章 プロローグ

あれは中二の夏だった。
父が突然倒れ、入院することになり、書斎を整理していた時のことだ。
本棚が二重になっている事に気付き、その奥の本を何気なく手に取った。
団鬼六のSM小説だった。
私は妖しい胸騒ぎを憶え、部屋に持ち帰って読んだ。
そこには私の心の奥底の願望が全て描かれていた。
ヒロインはすべて私だった。
本当の私だった。
そしてトイレやお風呂でしか触れたことのない部分を初めて触った。
私は全裸にされたかった。
縛られたかった。
本意ではない快楽に溺れ、悔し涙を流したかった。
そのすべてがここにあるのだった。
何より興奮したのは浣腸シーンだった。
それも複数の男女から輪姦ならぬ輪浣されるヒロインを心底羨ましく感じた。
便秘でもないのにイチジク浣腸を買ってきて、十本入れようとして我慢出来なかった。
そして気がつけば、一日の大半をネットを見て過ごすようになった。
もちろん、アダルトサイトを眺めるのである。
この時代、好きなだけ、無修正のSM画像を見ることができる。
そのほとんどは演技だし嘘だということは分かる。
でも、浣腸だけは嘘がない。
そこにある苦痛や汚物は本物だ。
泣くほどの屈辱も。
セックスは相手がいないと出来ないけれど、浣腸は一人でも体験できた。
これを人の目の前で……と思うと、心が張り裂けそうになるほど切なかった。
そんなとき、シャワートイレの水流をわざとクリトリスに当て、淡いオルガスムを味わうのだった。
私の中学時代はこうして過ぎていった。
父が突然倒れ、入院することになり、書斎を整理していた時のことだ。
本棚が二重になっている事に気付き、その奥の本を何気なく手に取った。
団鬼六のSM小説だった。
私は妖しい胸騒ぎを憶え、部屋に持ち帰って読んだ。
そこには私の心の奥底の願望が全て描かれていた。
ヒロインはすべて私だった。
本当の私だった。
そしてトイレやお風呂でしか触れたことのない部分を初めて触った。
私は全裸にされたかった。
縛られたかった。
本意ではない快楽に溺れ、悔し涙を流したかった。
そのすべてがここにあるのだった。
何より興奮したのは浣腸シーンだった。
それも複数の男女から輪姦ならぬ輪浣されるヒロインを心底羨ましく感じた。
便秘でもないのにイチジク浣腸を買ってきて、十本入れようとして我慢出来なかった。
そして気がつけば、一日の大半をネットを見て過ごすようになった。
もちろん、アダルトサイトを眺めるのである。
この時代、好きなだけ、無修正のSM画像を見ることができる。
そのほとんどは演技だし嘘だということは分かる。
でも、浣腸だけは嘘がない。
そこにある苦痛や汚物は本物だ。
泣くほどの屈辱も。
セックスは相手がいないと出来ないけれど、浣腸は一人でも体験できた。
これを人の目の前で……と思うと、心が張り裂けそうになるほど切なかった。
そんなとき、シャワートイレの水流をわざとクリトリスに当て、淡いオルガスムを味わうのだった。
私の中学時代はこうして過ぎていった。

