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青い残り火
第11章 第11章
学校で顔を合せるのは憂鬱だったが、不誠実な自分のせいだとの反省もある。恋に破れて初めて、芽衣や美弥の、そして理恵子の気持ちを理解した。
苦しさと虚しさ、悲しみに加え、受け入れてもらえない苛立ちが入れ替り立ち替り、時には一気に押し寄せて理性を奪っていく。

目を閉じた瞬間から再生を始める二人の愛欲シーンは胸を掻きむしり、眠れない夜が続いた。
夜毎刺激を求めて利用していた成人向けの動画が、大袈裟に脚色された演技に見え、どれを見てもしらけた。
必要なものは西崎澪だった。それを余すところなく愛撫する三島の姿と、西崎の切なく乱れるしなやかな裸体が頭から離れない。

あんなもの見たくなかった

真琴の婚約者だった男の気持ちが今頃わかる。
最寄駅で降りた一馬は俯いたまま歩き、けやき並木に差し掛かった。見慣れた風景のそこには制服姿の集団はなく、隣を歩いていた芽衣もいなかった。


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