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第3章 泥沼
 大学に入った夏に、全てが変わった。
 男の仕事が傾き始めたのだった。
 男に言われたとおり、お小遣いは一つの通帳にまとめていたのだけれど、そのお金を男は無心するようになった。
 それも100万単位で。
 だからあっと言う間に通帳は空になった。
 ホテル代も私が出すようになった。
 けれど私は嬉しかった。
 お金で買われている関係ではなく、純粋に体と心だけでつながっていると思えたから。
 セックスは純粋なセックスになったし、前よりもキスが濃厚になったような気がした。
 愛されているんだという安心感が初めて芽生えた。
 男の妻に対する後ろめたさはもちろんあったけれど、それより愛の悦びの方が大きかった。
 アナルセックスの前に丁寧にカミソリを使われるとき、羞恥よりも嬉しさで私はイキそうになるのだった。
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