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穴
第3章 泥沼

男のモノが勃たなくなった。
どれだけ舐めても、ローションで揉んでも、どうしようもない。
聞けば、来週までに300万用意できなければ破産で、自殺するしかないという。
「これまでありがとう」
などと、涙目で言う。
「奥様とお子さんはどうするの?」
そう聞くと、号泣して、
「一緒に死んで貰うしか……ない」
私はなぜか、奥様への恩返しのような気になって、女の子の高給バイト誌を取り寄せ、片っ端から電話をかけた。
300万前借りさせてくれるところを探して。
あっけなく、四件目で見つかった。
それも、男のオナニーをただ観るだけという楽な仕事だった。
風俗という特別の意識もなく、普通のバイト感覚で、私は大学の授業の合間、男のオナニーを見続けた。
二月で前借りはなくなり、もう辞めようと思っていた矢先、また男から、今度は400万無心された。
バイト先の店長から、その男は捨てた方が良いと言われていたけれど、出来なかった。
けれど、離婚して独り身になったと聞いて、なぜか踏ん切りが付いた。
もう後ろめたく思うことはないのだ、と。
「結婚してくれ」という一言で、スーッと醒めた。
女子校生に月十数万も払ってセックスにふけるような男だ。
ろくなヤツじゃない。
結婚なんて冗談じゃない。
さて、こんなバイトなんか辞めようと思ったけれど、店長に引き留められた。
なじみの客が何十人も出来ていれば当然だろう。
私の源氏名は「みかん」で、別名「焦らしのみかん」「寸止めみかん」と呼ばれ、絶妙の「まだダメ」「もっと見せて」の合いの手が好評らしかった。
と言うのは表向き。
もっと別の、男の脳を痺れさせる絶妙のサービスをやっていたのだった。
どれだけ舐めても、ローションで揉んでも、どうしようもない。
聞けば、来週までに300万用意できなければ破産で、自殺するしかないという。
「これまでありがとう」
などと、涙目で言う。
「奥様とお子さんはどうするの?」
そう聞くと、号泣して、
「一緒に死んで貰うしか……ない」
私はなぜか、奥様への恩返しのような気になって、女の子の高給バイト誌を取り寄せ、片っ端から電話をかけた。
300万前借りさせてくれるところを探して。
あっけなく、四件目で見つかった。
それも、男のオナニーをただ観るだけという楽な仕事だった。
風俗という特別の意識もなく、普通のバイト感覚で、私は大学の授業の合間、男のオナニーを見続けた。
二月で前借りはなくなり、もう辞めようと思っていた矢先、また男から、今度は400万無心された。
バイト先の店長から、その男は捨てた方が良いと言われていたけれど、出来なかった。
けれど、離婚して独り身になったと聞いて、なぜか踏ん切りが付いた。
もう後ろめたく思うことはないのだ、と。
「結婚してくれ」という一言で、スーッと醒めた。
女子校生に月十数万も払ってセックスにふけるような男だ。
ろくなヤツじゃない。
結婚なんて冗談じゃない。
さて、こんなバイトなんか辞めようと思ったけれど、店長に引き留められた。
なじみの客が何十人も出来ていれば当然だろう。
私の源氏名は「みかん」で、別名「焦らしのみかん」「寸止めみかん」と呼ばれ、絶妙の「まだダメ」「もっと見せて」の合いの手が好評らしかった。
と言うのは表向き。
もっと別の、男の脳を痺れさせる絶妙のサービスをやっていたのだった。

