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Blood of Love
第2章 10年目の約束

「つまり…人間の血が欲しくなるってこと?」
「そういうことだ。人間の血は動物の血より何倍も甘いから…」
「じゃあレースも人間の血を吸うの?」
「ああ。そうしなければ、俺たち吸血鬼は生きていけない」
人間の血を飲まなければ…レースが生きていけない…
私はこの時になってようやく、
レースが吸血鬼ということを思い知らされたような気がした。
「俺たちが人間の血をもらうことで
人間が死んだりするわけじゃないんだ。
だけど、もし理性が保てなくなって暴走したら……
血の吸い過ぎで人間が死んでしまう」
「人世村で起こる、吸血鬼殺人っていうのは……
それが原因なの?」
「ああ。だいたいが暴走を止められなくなって殺してしまうんだ。
中にはわざと殺す、悪質な吸血鬼もいるけどな…」
「そんな……」
私はズキッと心が痛んだ。
人間は吸血鬼を怖がってる。

