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Blood of Love
第5章 気配

「本当に美味しそうですね。
ならばエミリア王女から頂きましょうか」
「えっ...!」
私はレースの意地悪な笑みに、赤面して慌てる。
つ、つまり
あーん、ってこと...?
周りの吸血鬼達が少し騒ついているのが分かる。
けれど、レースは笑顔のまま。
私はフォークでスイーツをすくうと
おそるおそる、レースの口元へと運んだ。
それをレースがニッコリ笑いながら
なんの躊躇もなく食べる。
「...本当、エミリア王女の言うとおり。とても美味しいですね」
〜〜〜っ///
もう何これ恥ずかしい..っ
赤面して慌てる私が面白かったのか
レースは他の吸血鬼に見えないように笑いを堪えている。
普段は人がいないところでしか会わないから
人前で恋人っぽいことをされると私だって恥ずかしい。
「では、美味しく頂きましたし。
庭を案内致しますから、どうぞ手を」
「...はい...」
私はそのままレースに手を引かれ一旦パーティー会場を後にした。

