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Blood of Love
第5章 気配

綺麗な黄色バラ。
かわいらしいピンクのマーガレット。
ここらへんも品種改良してるのかしら。
本当に素敵な庭だった。
「ここだよ。俺が品種改良してる庭」
「これって…」
月の光に照らされて、ひときわ目立つ花園。
たくさんの種類のお花が咲き綻ぶ。
そして、その花園に咲くお花は全て赤色をしていた。
「綺麗だろう?全て俺が品種改良した花なんだ。
元々赤だった花もやり直して」
「すっごく綺麗…どうして赤にしたの?」
私がそう問いかけるとレースがクスッと笑って一本の赤い薔薇を私に差し出す。
「エミリアと初めて会った時、なんて綺麗な髪色なんだろうって思ったんだ。
吸血鬼は吸血する時に髪が赤になるやつがいるけど、それとは比べものにならないくらい綺麗だったから」
私は目を見開いた。
嬉しさが心の奥底からジワジワと湧き出るのが分かる。
「いつかエミリアにこの花園を見せたいって思ってたんだ。
…果たせて良かった」

